2024年06月25日号
国際決済銀行(BIS)は日本「円」の国際的価値を示す実質実効為替レート(2020年=100)が5月は68.65となったと発表した。過去最低を更新するもので、ピーク時の1995年4月(193.97)の約3分の1にまで落ち込んだ。背景には、海外と比べ物価や賃金の伸びが鈍いことに加え、円安が挙げられている。BISの実質実効為替レートは外国為替市場でドルや円が取引される為替レートとは異なり、主要国の物価上昇率や貿易額といった経済指標を考慮した通貨の総合的な実力を表している。
国際通貨基金(IMF)は人工知能(AI)が雇用に及ぼす影響を緩和するため、各国に失業保険の適用範囲を拡大するよう提唱した。また、AI導入によって格差の拡大を緩和する上から、「勝ち組」企業への課税強化を図るよう求めた。IMFでは生成AIの導入によって、高スキルを要する作業も代わられる公算が大きいと指摘をしている。このため、失業保険の範囲を自営業者のほか、アプリを通じて仕事を請け負うギグワーカーを念頭に、非定型的な雇用契約の労働者に拡げる必要性を指摘している。
財務省の5月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆2213億円の赤字だったことが明らかになった。赤字は2ヵ月連続で、資源高や円安が響き、原油などの輸入額が増大したことが要因とされている。ただ、輸出は前年同月比13.5%増の8兆2766億円となり、5月としては過去最大となった。米国向けの自動車や中国向けの半導体製造装置などが挙げられている。輸入は石油製品や原油が増え、前年同月比9.5%増の9兆4979億円だった。
政府観光局の発表によると、5月に日本を訪れた外国人客は前年同月比60.1%増の304万100人だったことが明らかになった。5月としては過去最高を記録するとともに、3カ月連続で300万人を超えたことになる。観光局では「中国の大型連休と重なったことや円安が追い風となったことに加え、飛行機や船の東アジアから日本各地への地方便が増えたことで、訪日客数を押し上げた」とみている。
政府が決定した女性活躍や男女共同参画の重点方針「女性版骨太の方針2024」で、男女の賃金格差を公表することを義務付けている現行の従業員300人超から100人超へ拡大を検討すると明記した。厚労省の2023年賃金構造基本統計調査によると、フルタイムで働く男性の平均給与は月35万900円なのに対し、女性は男性の74.8%にとどまる月26万2600円となっている。また、重点方針では各企業に賃金格差の詳しい実態や原因を分析するよう求めている。
東京大学や日本財団などの探査で、日本の排他的経済水域(EEZ)内の小笠原諸島・南鳥島(東京都)沖にある深海の鉱床にレアメタル(希少金属)を豊富に含むマンガン団塊が2億トン以上密集していることが判明した。コバルトは国内消費量の約75年分、ニッケルは約11年分と推計されている。マンガン団塊はこぶし大の球形で、海底に沈んだ魚の骨などを核に、数百万~数千万年かけて金属が断続的に付着したものとみられる。太古から日本への資源のプレゼントといえよう。2026年から大規模な採掘を始め、商業化へ踏み出す。
食べられるものの廃棄されている、いわゆる「食品ロス」の国内の2022年度発生量(推計)は472万トンだったことが分かった。前年度比51万トン減で、政府が掲げる2030年度までに489万トンとする目標は8年前倒しで実現したことになる。食品ロスの内訳をみると、事業系と家庭系ともに236万トンだったが、事業系は前年度から43万トン減、家庭系は8万トン減だった。政府はコロナ禍後の2023年度以降の動向を見極めたうえで、新たな目標設定の是非を議論するとしている。
食品大手の明治が20~60代の働き手を対象に、「梅雨時期の体調に関する困りごと」を尋ねたところ(複数回答)、「やる気が出ない」が最多の59.6%だった。「不調に対する対処法が分からない」(48.7%)、「不調を感じる」(48.1%)、「仕事のパフォーマンスが下がる」(41.9%)が続いた。また、自身で取組んでいる体調管理術を尋ねたところ、「良く寝る」「階段を使って歩く」「食事管理アプリで食生活を管理」が挙げられ、睡眠、運動、食事に関することが挙げられた。
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