2024年06月18日号
政府が経済財政諮問会議で公表した経済財政運営の指針「骨太方針」案で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を以前から掲げていた2025年度に黒字化する目標を堅持することを明示した。また、人口減少するなかで社会保障を持続させるため、実質国内総生産(GDP)の成長率が1%を安定して上回る経済をあるべき姿として提示した。さらに、「物価を上回る賃上げによるデフレからの完全脱却に向け、あらゆる政策を総動員する」としている。
金融庁は少額投資非課税制度(NISA)の利用状況調査で、3月末時点の口座数は2322万7848口座に上ると発表した。昨年末時点から約186万口座増えた背景には、非課税枠などが拡充された新NISAが年明けから始まったことから急増した。口座開設者を年代別にみると、40代の割合が19.3%と最も多く、50代(18.9%)、30代(17.5%)が続いた。今年1~3月の買い付け額は6兆1791億円で、商品分類別では投資信託が56.7%で最も高く、上場株式は40.2%だった。
6月14日の日銀金融政策決定会合で、金融緩和政策に基づき、市中から購入している国債の額を縮小する方針を決定した。国債購入額について、植田日銀総裁は「相応の規模になる」と記者会見で具体的な額については言及しなかったものの、国債保有残高が縮小すると明らかに示した。日銀が国債購入を減らすことで、長期金利が上昇し、固定型の住宅ローンや企業での借り入れ負担が増すことになり、経済へ与える影響は少なくない。また、日銀が国債購入の減額を発表後、ドル買いが進み、円相場は一時1ドル=158円台前半まで下落した。
文部科学省の調査によると、公立小中学校で条件を設けずに給食を無償提供する自治体は昨年9月時点で30.5%に上ることが分かった。6年前の同調査では4.4%の自治体が無償提供していたが、7倍近くまで増加している。背景には、新型コロナウイルス対策でできた地方創生臨時交付金が後押しした経緯があり、2024年度以降は交付金の裏付けがないため、自治体の1割以上が無償化の実施予定はないとしており、継続性や地域格差の課題も指摘されている。
世界経済フォーラム(WEF)は2024年版「ジェンダーギャップ報告書」で日本は調査対象の146カ国中118位だったと発表した。前年の125位から順位は上げたものの、主要7カ国(G7)の中では最下位だった。WEFは教育・健康・政治・経済の4分野における男女平等の度合いを分析しており、男女が完全な平等を100%とした場合、世界全体の達成率は68.5%だった。日本の達成率は前年から1.6ポイント改善したが、66.3%だった。
東京商工リサーチは2024年度5月度の企業倒産(負債額1000万円以上)の全国件数は1009件だったと発表した。前年同月比42.9%増となり、10年10カ月ぶりに1千件を超えた。負債総額は1367億円。倒産件数は2022年4月から26ヵ月連続で前年同月を上回っており、背景には、コロナ関連支援が終了したことに加え、足元で円安や物価高、人手不足が経営への重しとなっている。同社では、増勢をたどる可能性が高いとみている。
閣議決定された2023年度版水産白書によると、漁業就業者数は約12万人だったことが明らかになった。14年前の約22万人から10万人減少したことになる。また、2022年の漁業・養殖業生産量は、サンマやスルメイカの不漁が響き、前年から24万トン減の392万トンだった。白書では持続的な水産業の重要性を訴えている。また、白書で食用魚介類の1人当たりの年間消費量は2001年度の40.2キロをピークに、2022年度は約半分の22キロに大きく減っていることを記している。
シチズン時計が首都圏在住の20~50代男女400人を対象に生活の様々な場面でかかる時間を尋ねたところ、25年前や50年前と比べ、通勤や朝食の時間が短い傾向にあることが分かった。平均通勤時間は(片道)は30分以内が28.9%で、50年前(16.8%)や25年前(9.3%)から大幅に増えていた。また、朝食を「食べない」と答えたのは全体の16.8%で、50年前(8.1%)から2倍になっている。同社では「とくに若い世代はタイパ(タイムパフォーマンス)意識が広がっているのではないか」とみている。
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