2024年05月14日号
財務省は2023年度末(3月末時点)での国債や借入金などを合わせた、いわゆる「国の借金」は1297兆1615億円となったと発表した。前年同月比26兆6625億円増となり、8年連続で過去最大を更新した。防衛費や社会保障費が増えたことに加え、ガソリン補助金や低所得者世帯への給付金などといった物価高対策を盛り込んだ補正予算を編成した結果、国債の発行額が増えたことが影響している。
政府が発表した認知症の高齢者数の推計によると、2025年に471万人、15年後の2040年に584万人、さらに35年後の2060年には645万人になることが明らかになった。2060年の65歳以上の認知症の高齢者数は5.6人に1人(17.7%)となる見込み。認知症の予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の高齢者は632万人となり、認知症との合計では1277万人で、高齢者の2.8人に1人が認知に障害があると推計されている。少子化対策とともに、超高齢化社会に向けた施策が求められる。
厚生労働省の3月分の毎月勤労統計調査で、物価変動を加味した実質賃金は前年同月比2.5%減となった。実質賃金は24ヵ月連続のマイナスとなり、これまで最長だった2007年9月から2009年7月の23ヵ月連続を上回り、最長を更新した。名目賃金である現金給与総額は前年同月比0.6%増となり27カ月連続で前年を上回っているものの、物価の上昇に追いつかない状況が続いている。今春闘での賃上げ率は33年ぶりの高水準だったが、給与の反映には数か月の遅れが生じ、実質賃金への影響は先になる。
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」は2024年の世界各国の報道自由度ランキングで、日本は対象国180カ国・地域で70位だったと発表した。先進国7カ国(G7)では最下位。低い評価となった日本について、国境なき記者団は「報道の自由が一般的に尊重されているものの、政治的圧力や男女不平等などで、記者が監視者としての役割を完全に果たすことをしばしば妨げられている」と指摘している。主要な国では、米国が55位、ロシアが162位、中国が172位などとなっている。
財務省は2023年度の国際収支速報で2023年度の経常収支は25兆3390億円の黒字だったと発表した。年度での累積黒字額は過去最大。背景には、貿易赤字が大幅に縮小したことに加え、企業の投資収益が大幅に増加したことが挙げられている。SMBC日興証券は「中長期的に黒字を確保していく姿は円の信認を維持する上で大事だが、直接投資収益の黒字うち半分程度が海外への再投資に回っており、経常黒字が過去最大になっても短期的には円高要因になりにくい」と指摘している。
共同通信はIT企業クロスロケーションが全国主要60駅周辺の来訪者数推計を基に分析したところ、駅周辺60地点の88%に当たる53地点で前年を下回っていることが分かった。60地点の人出の合計は982万2900人で、前年の1052万6300人から6.7%減少していた。今年は好天に恵まれたものの、円安による物価高やインバウンド(訪日客)増加の影響のあった宿泊費上昇が人出減少に影響がみられたと指摘している。
SMBC日興証券の集計によると、上場企業の2024年3月期決算の純利益合計額は47兆9370億円となることが分かった。前期比15.0%増で、3年連続過去最高となる見通し。円安基調を背景に自動車を中心とした製造業が業績を押し上げたことが背景にある。決算公表済みの企業は2025年3月期の業績予想では前期比0.8%増の48兆3230億円を見込む。同社は「2025年3月期は設備投資の拡大や中国経済の回復で業績拡大が見込まれるが、中東情勢の悪化懸念もある」と指摘した。
日本郵便は2023年度の手紙やはがきなどの郵便物の引受数は前年度比6.0%減135億7768万通にとどまったと発表した。前年度を下回るのは22年連続となり、2001年度の262億通からほぼ半減したことになる。このうち、年賀状は9億7048万通となり、前年比17.1%減となり、落ち込みは過去最大となった。一方、宅配便「ゆうパック」の引受数は3.0%増の10億966万個となり、2020年度以来3年ぶりに増加に転じた。
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