社会・経済ニュースバックナンバー

2024年01月16日号

能登半島地震を「激甚災害」に指定
政府は1月11日、能登半島地震を「激甚災害」に指定した。早期復旧を後押しするもので、激甚災害では対象地域を限定することなく、農地や水路、林道、河川、道路、下水道などの公共土木施設や福祉施設、公立学校などの復旧事業の国庫補助率を1割程度引き上げる。また、中小企業が事業再建資金を借り入れる際の融資保証を手厚く手当する。能登半島地震では1月12日までに震度5弱以上を16回観測し、震度3以上は150回を超えている。

WMO、昨年の地球気温は最も高かった
世界気象機関(WMO)の発表によると、2023年の世界平均気温は産業革命前と比べ1.45度上昇し、観測史上で最も気温が高かったと発表した。WMOは世界で異常気象などを引き起こすエルニーニョ現象と気候変動の影響が重なったことが最高気温をもたらしたものとしている。WMOでは気候変動で貧困や飢餓の悪化が危惧されるとして「温室効果ガスの排出を大幅に削減し、再生エネルギーへの移行を加速しなければならない」と訴えている。

2024年、世界経済成長率予測2.4%
世界銀行は2024年の世界全体での実質成長率を2.4%と予測した。3年連続で減速する見込みで、背景には欧米の抑制的な金融政策や貿易取引と投資活動の世界的な低迷が挙げられている。世銀担当者は「豊かな国ほど経済が良く、世界で際立った不均等が生まれている」と指摘したうえで、途上国の約4分の1の国・地域の人々がコロナ禍前よりも貧しいままとなる見通しを示した。日本もコロナ禍後の需要回復が目立った2023年の1.8%成長から2024年は0.9%成長と減速が続くとみている。

11月実質賃金、20ヵ月連続減に
厚生労働省の11月毎月勤労統計調査で物価変動を加味した実質賃金は前年同月比3.0%減だった。20ヵ月連続のマイナス。依然、物価上昇に賃金の伸びが追いついていない状況が続いている。現金給与総額は0.2%増の28万8741円となり、23ヵ月連続プラス。比較可能な1991年、1991年1月~1992年11月の23ヵ月と並んで最長となった。就業形態別に現金給与総額を見ると、一般労働者が0.3%増の37万7001円で、パートタイム労働者は2.5%増の10万4253円だった。

2100年の人口8千万人を目指すべき
人口戦略会議は2100年の日本の総人口は8千万人を目指すべきだとの提言を公表した。国立社会保障・人口問題研究所の推計では2100年の総人口が約6300万人、高齢化率は40%になると推計している。人口戦略会議の提言では、1人の女性が生涯に産む子ども数を示す合計特殊出生率を2066年に2.07に回復させ、2100年に総人口を8千万人とし、安定化させるシナリオを提言で示している。また、提言では全国896自治体が人口減で消滅の恐れがあるとも指摘している。

不要・不急の110番通報、175万件
全国の警察が2023年1~11月に受理した110番は930万3573件に上ることが明らかになった。このうち、緊急性のない不要・不急の通報は175万4609件で、通報全体の約2割近くに上っている。緊急性のない通報では、「不審なメールが届いたので相談して欲しい」「落し物が届いていないか教えて欲しい」といったものがあった。また、昨年4月から本格運用が始まった映像通報の受理は8716件で、行方不明者などの保護や救護が最も多く、交通関係が続いた。

EVを背景に中国新車輸出が世界首位
中国自動車工業協会は2023年の新車輸出台数は前年比57.9%増の491万台だったと発表した。日本を抜き中国が世界首位となることが確実視されており、背景には政府が後押しする電気自動車(EV)など新エネルギー車(NEV)関連産業が急成長していることが挙げられている。また、中国の新車販売台数は12.0%増の3009万4000台となり、初めて3000万台を超え、15年連続で世界首位を維持している。

2023年、人手不足倒産が過去最多
帝国データバンクの調べによると、2023年に人手不足を原因とする企業倒産は260件に上ることが分かった。前年比1.9倍で、統計を開始した2013年以降で最も多かった。業種別にみると、これまで時間外労働の上限規制が猶予されていた建設業と物流業が全体の半数を占め、今後、2024年問題が本格波及する業種での人手不足倒産の増加が懸念されている。また、同社では他の業種でも人手不足が深刻化しており、解消されなければ数多く発生するとみている。

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