社会・経済ニュースバックナンバー

2023年12月19日号

COP28、化石燃料からの脱却を採択
国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP28)は2030年度までに気温上昇を1.5度に収めるために「化石燃料からの脱却」を盛り込んだ合意文書を採択した。世界が頼ってきた化石燃料を減らす合意は初めてで、石炭火力発電に加え、対象を石油や天然ガスを含む化石燃料全体に広げたことが特筆される。成果文書で、今年が世界的に記録的な猛暑となったことを示しつつ、温室効果ガス排出量を2019年比で2030年に43%減、2035年に60%減とする必要があると明記した。

コアホウドリ死骸の9割、胃から海洋ゴミ
北大大学院の調査によると、日本近海に生息する絶滅危惧種の海鳥コアホウドリ約100羽の死骸の9割の胃からプラスチック片が見つかったことが明らかになった。同大学院の研究チームが2014~2018年に主な生息地である小笠原諸島周辺で96羽のコアホウドリの死骸を回収し、今春に解剖を終えたもので、このうち87羽の胃からビニール袋の破片や釣り糸、プラスチックの材料となる粒上の「レジンペレット」が確認された。専門家は「日本近海でも海洋ごみの問題は深刻化している」と指摘する。

大企業製造業の景況感、3期連続で上昇
日銀は12月の企業短期経済観測調査で、景況感を示す代表的な指標である大企業製造業の業況判断指数(DI)は前回調査の9月時点から3ポイント上昇のプラス12となったと発表した。3四半期連続での上昇となる。一方、中小企業製造業は6ポイント上昇のプラス1となり、4年9ヵ月ぶりにプラスに転じた。3か月後の先行き見通しについては、大企業製造業で4ポイント下落のプラス8で、大企業非製造業は6ポイント下落のプラス24と見込んでいる。

3種類の新紙幣、7月3日に発行
日銀は1万円札などの3種類の新紙幣の発行開始日を来年7月3日とすると発表した。新紙幣は1万円札に渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎をそれぞれ図柄とし、紙幣の刷新は20年ぶりとなるが、1万円札の肖像は1984年に福沢諭吉になって以来40年ぶりとなる。7月3日に日本銀行は金融機関に新紙幣を引き渡すことになり、銀行窓口やATM(現金自動預け払い機)で新紙幣を入手できるようになる。

FRB、利下げ示唆でNYダウ最高値を更新
12月13日、米連邦準備制度理事会(FRB)は主要政策金利を5.25~5.5%で据え置くことを決定するとともに、来年中に3回の利下げを行うことも示唆し、米長期金利は低下した。同時に、ダウ平均株価の終値は3万7000ドル台に乗せ、昨年1月につけた過去最高値(3万6799ドル)を更新した。また、12月14日の東京隋国川瀬市場では日米の金利差縮小から円買いが進み、一時1ドル=140円96銭を付けた。

今年の漢字は「税」に決まる
日本漢字能力検定協会は2023年の世相を1字で表す「今年の漢字」に「税」が決まったと発表した。1995年以来29回目となる「今年の漢字」に全国からの応募総数約15万票の中から「税」が選ばれ、「税」は2014年以来で2回目。税収増の還元として所得税・住民税の定額減税が打ち出されたことや、消費税のインボイス制度の導入などが理由に挙げられた。2位には記録的な猛暑を反映した「暑」、3位にはロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでの紛争を示した「戦」などが挙げられた。

20代未婚男性、46%が「交際経験なし」
リクルートブライダル総研の調査によると、20代の未婚男性のうち、46.0%が「今まで一度も異性と付き合ったことがない」と答えていることが分かった。一昨年の前回調査(34.2%)より約12ポイント増加し、過去最高となった。また、結婚意向に関する質問では、「いずれは結婚したい」との回答は男性全体の43.5%で前回調査(47.1%)から減少していた。いずれの質問でも女性も男性に比べて割合は高くはないものの、男性と同様の傾向がみられた。

大谷選手、スポーツ史上最高額の契約
米大リーグでフリーエージェント(FA)になっていた大谷翔平選手はドジャーズ移籍を発表した。契約は2033年までの10年間で総額7億ドル(約1015億円)となり、米メディアによるとスポーツ史上最高額の契約となったと報じている。大谷選手は投打二刀流で、日米で活躍し、大リーグでは史上初となる2連続で「2桁勝利、2桁本塁打」でリーグMVPを史上初の2度目の満票で受賞している。サッカー界のスター選手であるメッシらを超える巨額契約となり、欧州でも報じられた。

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