社会・経済ニュースバックナンバー

2023年12月05日号

経済対策費13兆円の補正予算が成立
11月29日、参院本会議で経済対策実施の裏付けとなる2023年度補正予算が可決、成立した。一般会計の歳出は13兆1992億円で、歳入の7割近い8兆8750億円を国債の増発で賄うことで、一段と借金に依存する財政運営となる。今回計上された経済対策関係費は、物価高対策、賃上げと地方の成長、国内投資促進、社会変革推進、国土強靭化に充てるとしている。なお、経済対策の目玉とされた所得税と住民税の減税は来年6月実施となるため、今回の補正予算には組み込まれていない。

気象庁、2023年は「最も暑い年」
気象庁の発表によると、秋(9~11月)の平均気温が平年値(1991~2020年)を1.39度上回り、統計を開始した1898年以降で最も高くなったことが明らかになった。これまで同庁は、今年は春(3~5月)と夏(6~8月)の平均気温が過去最高との公式見解を示しており、初めて3季連続の更新となった。1~11月の平均気温もプラス1.34度と過去最高を大きく上回っていることから年間を通じて最も高くなることが確実視されるとしている。

賃上げ率、1999年以降で最高の3.2%
厚生労働省は「2023年賃金引上げ等の実態に関する調査」で1人当たりの平均賃金の引上げ率は3.2%だったと発表した。引き上げ額でみると9437円。1999年以降で賃上げ率は最も高く、引き上げ率が3%台になるのも初めてとなった。企業規模別にみると、常用労働者5千人以上が4.0%で、労働組合がないとされる100~299人の中小企業でも2.9%の賃上げ率となっている。賃上げが広く企業に波及している実態が浮き彫りとなった。

2023新語・流行語大賞は「アレ(A・R・E)」
2023ユーキャン新語・流行語年間大賞に「アレ(A・R・E)」が選ばれた。「アレ(A・R・E)」は優勝を意味するもので、選手が優勝を意識しないようにとの配慮から38年ぶりに日本シリーズを制覇したプロ野球阪神の岡田監督が「アレ」と表現したもの。トップテンには、将棋観戦をインターネット配信で観る「観る将」、コロナ禍前の光景が戻ってきたことを表現した「4年ぶり/声出し声援」、猛暑を表現した「地球沸騰化」「OSO18」、好意を持つ相手への気持ちがふとしたきっかけで冷める状況を表す「蛙化現象」などが選ばれた。

2023年の食品値上げは25%増に
帝国データバンクの集計によると、2023年に食品値上げは前年比25.7%増の3万2395品目に達したことが分かった。これら値上げに伴う2人以上世帯の家計の負担は最大で月4058円増となる試算も示された。2023年の値上げとなった食品を分野別にみると、カップ麺やソーセージなどの加工食品が1万1837品目と最多で、マヨネーズなどの調味料が8052品目、缶コーヒーなどの種類・飲料が6175品目、チョコレートなどの菓子は2270品目と続いた。

直近1年間で「カスハラ経験」は64.5%
危機管理コンサルティング業のエス・ピー・ネットワークがクレーム対応したことがある職種に携わる20~60代を対象にした調査で、顧客からの嫌がらせや迷惑行為「カスタマーハラスメント」を直近1年間に受けた人は64.5%に上ることが明らかになった。具体的なカスハラを受けた実態では「土下座を強要」「2時間近く居座り」「3時間以上の拘束」などを経験した人もいた。同社では「従業員を守れないと人材確保に大きな影響を及ぼす」と指摘している。

2023年米の1等米比率、過去最低に
農林水産省は2023年産米の1等米比率は61.3%で、現行調査が始まった2004年以降で過去最低だったと発表した。夏の猛暑による高温障害が1等米比率を大きく引き下げたことが要因とされている。等級の低下は米価が引き下がり、農家の経営にはダメージとなる。都道府県別に1等米比率が低かったのは神奈川県(15.1%)で新潟県(15.7%)が続き、逆に高かったのは長野県(92.1%)、岩手県(91.1%)だった。来年以降も高温が続く可能性が高いとみられ、同省では品種転換や対策技術を支援するとしている。

シニア女性、一生自分の足で歩きたい
ハルメクホールディングスが行なった健康に関する意識調査で、50~70代女性を対象に「健康について重視したいこと」(回答は3つまで)を尋ねたところ、「一生自分の足で歩きたい」(89.7%)が最も多かった。次いで、「ぼけたくない」(82.6%)、「子どもに迷惑をかけたくない」(48.9%)が続いた。健康に関する悩み(複数回答)では、「健康のための活動はしているが、継続的に行うことが難しいと感じる」(42.9%)が最も多かった。

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