2023年10月17日号
日米欧に中国・ロシアなどを加えた20カ国・地域(G20)財務省・中央銀行総裁会議の共同声明で「世界中の戦争と紛争がもたらす甚大な人的被害と悪影響」に強い懸念を表明した。共同声明ではイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃に言及せず、またウクライナに侵攻したロシアを名指し批判をすることなく、声明の採択を優先した形になっている。世界経済に関しては「立ち直りを示しているものの、先行きは依然下振れリスクがある」としている。
日銀は9月の生活者意識アンケートで現在の物価が1年前と比べて「上がった」と答えた人は95.5%だったと発表した。前回調査の6月時点と同水準だった。暮らし向きが1年前と比べ「ゆとりがなくなってきた」が0.6ポイント増の57.4%に上った。物価高や収入減で家計が苦しい状態にあることを浮き彫りにしている。また、1年後に物価が「上がる」と予想している人は前回調査の6月時点から0.5ポイント増の86.5%だった。
国際通貨基金(IMF)は2024年の世界全体の実質成長率を7月時点の予測から0.1ポイント下方修正の2.9%と発表した。下方修正した理由について、IMFは中国経済の減速や米欧を中心とした中央銀行による利上げなどを懸念材料として挙げている。日本については、2023年の見通しを0.6ポイント引き上げの2.0%とし、2024年は据え置きの1.0%とした。2023年の日本の成長率を上方修正した理由について、外国人観光客の増加や自動車輸出の回復としている。
日銀の統計によると、大規模な金融緩和政策を導入した2013年4月から市場から購入した国債の累計額は約1010兆円となったことが分かった。購入額の累計は1千兆円を超えたが、国債は満期を迎えると償還されるため、日銀が保有する国債は今年6月末時点で約580兆円となっている。国債が市場に出回る53%に相当するが、大規模金融緩和の導入前の保有割合は11%だったことからすれば依然高い水準にあり、「日銀が政府の財布となっている」との批判の声もある。
財務省の8月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は、前年同月比約3.4倍の2兆2797億円の黒字だったことが明らかになった。7カ月連続での黒字で、円安基調を背景に海外投資で得た利子や配当の黒字幅が高い水準を維持したことに加え、貿易収支の赤字幅が大幅に圧縮したことが挙げられている。貿易収支は3か月ぶりに赤字に陥り、赤字額は7495億円だった。輸出は軽油や半導体製造装置などが落ち込み、輸入は石炭など輸入額が大幅に減った。
出入国在留管理庁の発表で、今年6月末時点での日本に在留する外国人は322万3800人になったことが明らかになった。2022年年末から14万8645人増え、過去最多を更新した。在留外国人のうち、最も多かった在留資格は「永住者」で前年末から1.9%増の88万178人で、次いで「技能実習」が同10.2%増の35万8159人、エンジニアや経理担当などとして働く「技術・人文知識・国際業務」が同10.9%増の34万6116人で続いている。人手不足を背景に就労目的の中長期滞在者が増加している。
東京商工リサーチは2023年度上半期(4~9月)の全国企業倒産件数(負債額1千万円以上)は前年同期比37.7%増の4324件に上ったと発表した。2年連続での増加で4年ぶりに4千件を突破した。企業倒産が増加した背景には、新型コロナウイルス対応の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済負担や物価高や人手不足が影響したことが挙げられている。同社では今後の倒産傾向について「10月以降も倒産件数は緩やかに増えていく」とみている。
UI銀行は同行が運営する「わたし資産診断」の利用ユーザーを対象に「本当に大切にするべき資産」を尋ねたところ、1位は「時間」(28.8%)で、2位に「絆」(28.6%)、3位に「健康」(21.9%)だった。男女別にみると、男性の1位~3位は「時間」「絆」「健康」の順だったのに対し、女性は「絆」「健康」「時間」だった。また、年代別でみると、どの世代も「時間」「絆」を大切にしたいという割合が高いものの、30代以降は「健康」を重要視する傾向がみられた。
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