2023年08月08日号
国際通貨基金(IMF)は2023年の世界全体の実質経済成長率を4月時点の予測から0.2ポイント上昇の3.0%とする予測を発表した。上方修正の背景には、1~3月期の消費が堅調だったことに加え、米国での銀行破綻による金融不安が後退したことが挙げられている。新型コロナ禍前の2000~2019年は平均3.8%の成長率だったが、回復には時間を要するとしている。日本については0.1ポイント上方修正の1.4%と見込んでいる。ただ、2024年は景気対策の効果が薄らぐとして1.0%の成長率が見込まれている。
総務省の発表によると、ふるさと納税制度に基づく自治体への寄付総額は前年度比16.8%増の9654億円になった。3年連続で過去最高を更新したことになる。制度の浸透とともに、物価高で家計のやりくりが苦しくなり、日用品や食品といった返礼品を得るための利用が増えたと同省では見ている。寄付件数は過去最多となる5184万件だった。2022年度に寄付を集めた市町村は宮崎県都城市の196億円、北海道紋別市の194億円、北海道根室市の176円が続いた。
経済産業省の発表によると、7月31日時点でのレギュラーガソリン全国平均小売価格は1リットルあたり176円70銭だった。11週連続での値上がりで、15年ぶりに176円となった。原油価格の上昇に加え、国が給付している補助金の補助率が6月以降段階的に引き下げられていることが背景にある。今後も補助率の引き下げからガソリン価格は引き続き値上がりすることは避けられず、物流を中心にした企業のコスト価格上昇は避けられない。
農林水産省は2023年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出額は7144億円だったと発表した。前年同期比9.6%増で、上半期としては過去最高を更新した。コロナ禍による行動制限の緩和で、外食機会が増えた中国や香港を中心に水産物の需要が回復したことが背景にある。国・地域別では中国が1394億円、香港が1154億円で続いた。ただ、中国は8月に予定されている東京電力福島第一原発処理水の海洋放出計画に反対し、7月から放射能物質検査を強化しており輸出額の伸びが危惧されている。
国立がん研究センターは、がんが社会に与える経済的負担は年間約2兆8600億円だったとの推計結果を発表した。そのうち、約1兆円は「禁煙やワクチン接種などの予防対策を行えば、経済的な負担の軽減も期待できる」との推計している。研究チームが2015年に国内で治療を受けたがん患者約400万人について、医療費と欠勤・死亡に伴う労働損失を推計したもの。このうち、禁煙や感染などの予防策があるがんによる経済的負担は約1兆200億円だとしている。
気象庁は7月の平均気温は統計を開始した1898年以降で最も高くなったと発表した。平年を示す基準値(1991~2020年の平均)を1.91度上回り、これまで最高だった1978年のプラス1.51度で45年ぶりに更新したことになる。気象庁では地球温暖化やエルニーニョの影響で今後も全国的に高温となるとしたうえで、「8、9月は猛暑日が増える可能性があり、残暑も厳しい恐れがある。熱中症対策など体調管理に気を付けて欲しい」と呼び掛けている。
厚生労働省の2022年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は17.13%だったことが分かった。前年度比3.16ポイント増と10年連続で上昇しているが、政府が掲げる「2025年度までに男性の育休取得率50%」の目標には遠く及ばない状況にある。事業の規模別にみると、500人以上は25.36%だったが、5~29人は11.15%と、小さいほど取得率は低くなっている。
日本政策投資銀行が行なった2023年設備投資計画調査で、理想的な出社率を尋ねたところ、大企業の32%が「10割全員出社」と答えていることが明かになった。「9割出社」が15%、「8割出社」が20%となっている。新型コロナウイルス禍でリモート勤務が広がったが、新型コロナの5類移行に伴い、社員全員の「完全出社」を望む企業が前年度の24%から増えていることが浮き彫りとなった。「9割出社」「8割出社」と答える企業も前年度から増えている。
上へ