2023年08月01日号
日銀は7月28日の金融政策決定会合で、長期金利の上限について0.5%程度をめどとし、市場の動向次第では1%まで上昇することを容認することを決定した。植田日銀総裁は会見で「1%まで上昇することは想定していないが、念のための上限として1%とした」と述べた。これに先立つ7月26日、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利を0.25%引き上げ5.25~5.50%とすることを決定しており、日米の金利差からドル買い円売り(円安)が一段と加速する懸念がある。
総務省は住民基本台帳に基づく人口動態調査で今年1月1日時点での外国人を含む総人口は前年比約51万1千人減の1億2541万6877人だったと発表した。日本人に限定すると約80万1千人の減少の1億2242万3038人となり、減少は総人口調査を開始した1968年以降で最大を更新した。また、47都道府県の全てで前年から減少していた。出生数は過去最少の約77万2千人だったのに対し、死亡数は約156万5千人となり、出生数を大きく上回った。
内閣府は中長期の経済財政試算で2025年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は成長率が徐々に高まる状況下でも1.3兆円の赤字に陥ると公表した。試算では、日本経済の実質成長率がゼロ%半ばの「ベースライン」と、2%程度に高まる「成長率実現」の2ケースで試算しているが、ベースラインのケースでは2025年度に1.3兆円の赤字となり、2032年度まで赤字が続くと試算している。なお、2つのケースには少子化対策の財源などは織り込まれてはいない。
厚労省の調査によると、2022年の日本人の平均寿命は女性が87.09歳、男性が81.05歳だったことが分かった。前年と比べると、女性がマイナス0.49歳、男性がマイナス0.42歳となり、男女ともに2年連続で短くなっている。同省は男女ともに平均寿命が短くなったことについて「新型コロナウイルスの影響が大きかった」と分析したうえで、「今後も下がり続けるとは考えていない」として、平均寿命は一時的で今後は従前のように延びるものとみている。
厚生労働省の中央最低賃金審議会小委員会は最低賃金(時給)を全国加重平均で4.3%(41円)引き上げる1002円とする目安をまとめた。昨年の3.3%(31円)を上回る過去最大の引き上げ額となるとともに、時給額が1000円を初めて突破したことになる。この目安は47都道府県を経済情勢に応じてAからCまでのランクごとに明示し、今回、時給額はランクに応じた都道府県別に41~39円の引き上げが明示された。これを基に各都道府県が実際の引き上げ額を決定し、秋に改訂される。
日本郵便の調査によると、1ヵ月当たりの投函数が30通以下の郵便ポストは全国で約25%を占めていることが明かになった。ポストから郵便物を集める担当者に1カ月当たりの平均的な投函数を聞き取ったもので、ほぼ利用されていない「0~1通」が3.9%、週に1通程度の「2~9通」が7.0%、数日に1通の「10~19通」が7.4%、毎日1通程度の「20~30通」が6.9%だった。円だった。日本郵便は過疎地も含めポストからの郵便物の収集を行っており、維持コストが課題となっている。
世界気象機関(WMO)は世界が命に危険が及ぶ熱波や豪雨の猛威に晒されている事態に対し、「地球温暖化の影響で異常気象の頻度は増しており、〝新たな日常〟になりつつある」との声明を発表するとともに、強く警鐘を鳴らした。また、これを受けてグテレス国連事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が来た」との警告を発するとともに、各国や企業に対し、温暖化対策を加速するよう強く訴えている。
厚生労働省の研究班の推計によると、全国の認知症の患者数は2025年に約730万人になることが明かになった。65歳以上の20.6%に当たり、5人に1人が認知症になることになる。今国会で成立した「認知症基本法」では「認知症に関する専門的・学術的・総合的な研究を推進する」を掲げ、「認知症対策は日本の新たな国家プロジェクト」として取り組んでいくことを示している。日本の製薬メーカー「エーザイ」が米企業と共同開発した「レカネマブ」が日本でも早期承認されることが期待される。
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