社会・経済ニュースバックナンバー

2023年05月16日号

国の借金、過去最大の1270兆円
財務省の発表によると、国債と借入金、政府短期証券を合わせた、いわゆる国の借金は2022年度末時点で1270兆4990億円になったことが明らかになった。2022年度は約29兆円増え、過去最大を更新した。背景には、新型コロナウイルスや物価高対策による財政出動が図られたことが挙げられている。もし、金利が現在以上に上昇することになれば、利払い費が増加することになり、財政運営に厳しい影を落とすことになる。国民1人当たりに換算すると、借金は約1020万円となる。

実質賃金、12か月連続マイナス
厚生労働省の3月の毎月勤労統計調査によると、物価上昇を加味した実質賃金は前年同月比2.9%減少だったと発表した。12か月連続でのマイナスで、現金給与総額(名目賃金)は増えてはいるものの、物価高に追いついていない状況にあることを浮き彫りにした。基本給や残業代などを合わせた現金給与総額は0.8%増の29万1081円と15カ月連続でプラスに転じてきているが、3カ月連続で1%を下回っている。担当者は「春闘の賃上げの動きで、4月分以降の調査結果の推移を注視したい」としている。

2022年度経常黒字、54%減の約9兆円
財務省は2022年度の国際収支速報で経常収支の黒字額は前年度比54.2%減の9兆2256億円だったと発表した。2014年度以来8年ぶりの低水準となった背景には、原油高と円安により輸入額が急激に膨らみ、貿易赤字が過去最大になったことが挙げられている。経常黒字の減少額は10兆9265億円となり、原油高となった2008年度(13兆6490億円)以来の大きさとなった。2023年度は海外経済の減速から輸出が鈍化するとみられており、収支の大きな改善は見込めない状況にある。

2月の生活保護申請件数は20%増
厚生労働省の発表によると、2月の生活保護申請件数は前年同月比20.5%増の1万9321件だったことがあきらかになった。2カ月連続での増加で、20%台になるのは2020年4月以来となった。同省担当者は「2月の申請件数自体は1月より減っている。前年同月の件数が少なかったことで伸び率は高くなった」と指摘したうえで、「増減の要因は経済やコロナ禍の状況、物価高など複合的である」と分析している。生活保護受給世帯数は164万2915世帯に及んでいる。

上場企業の純利益、過去最高水準に
SMBC日興証券が東証1部に上場する企業のうち、2023年3月期決算を発表した703社を集計したところ、純利益は過去最高水準になる見通しであることが明らかになった。売上高は前年比14.2%増の580.3兆円で、営業利益は4.2%増の39.1兆円となる見込みである。同社によれば、「純利益はこれまで最高だった2022年3月期の約34兆円だったが、2023年3月決算ではこれを上回る状況にあり、過去最高を更新する」としている。

医療費増に対応する改正健保法が成立
5月12日の参院本会議で2024年度から75歳以上の公的医療保険料を段階的に引き上げる健康保険法などの改正法が成立した。全世代型社会保障への改革の一環による改正で、高齢化に伴う医療費増に対応するとともに、子どもを産んだ人に給付する「出産育児一時金」の財源に充当されることになる。改正では、75歳以上の公的医療保険料を2024~25年度に引き上げられることになり、2024年度は年金収入が年211万円超、2025年度に年金収入が153万円を超える人が対象となる。

物価高での倒産、1千件を超える
帝国データバンクの集計によると、4月の「物価高倒産」は75件となり、集計を開始した2018年1月以降で1千件を突破したことが明らかになった。倒産件数に占める物価高倒産の占める割合は、3月に8.3%だったが、4月は12.3%と急増している。業種別に物価高倒産は、建設業が23件で最も多く、製造業と運輸業(ともに13件)、サービス業(12件)、小売業(7件)が続いた。物価高倒産の要因では「エネルギーコスト」「人的コスト」が最多を占めた。

Z世代の4割超が「自分の自が嫌い」
パイロットコーポレーションが1990年代後半から2000年代前半に生まれた「Z世代」と呼ばれる19~25歳を対象にした調査で、45%が「自分の書く字を嫌い」と答えていることが分かった。嫌いな理由では「字が汚い」「癖がある」などが挙げられた。また、手書きのものを受け取った時に、76.7%が「嬉しい気持ちになる」と答えた。その理由として、「感情が伝わってくる」「温かみを感じる」がいずれも半数近くを占めていた。

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