2023年04月11日号
国際通貨基金(IMF)は4月11日に世界経済見通しを発表するが、これに先立ってゲオルギエバ専務理事は「2023年は先進国の9割で成長率が低下すると予測している」との見解を講演で示した。同氏は「2023年世界経済の成長率は3%未満になり、今後5年間は3%前後で推移する」との見通しを示したうえで、「1990年以降、最も低い成長見通し」となるとの厳しい見方を示した。ロシアのウクライナ侵攻や高止まりするインフレで経済の回復力は依然として弱いとしている。
セブン&アイ・ホールディングスの発表によると、2023年2月期の連結決算で、売上高に相当する営業収益は11兆8113億円だった。前期比35.0%の増となり、国内小売業で10兆円を突破したのは初めてとなる。2021年に買収した米スピードウェイでの売上高が大きく伸びるとともに、国内コンビニでも客足の回復で売り上げ拡大をけん引している。
産業別労働組合UAゼンセンが発表した加盟している組合の3月末時点での2023年春闘妥結状況によると、パート組合員の交渉で平均賃上げ率は過去最高の5.68%になっていることが明らかになった。時給ベースでの平均賃上げ額は59.2円。経営側も人手不足対応や物価上昇の状況を鑑み、高額回答を相次いで示している。UAゼンセンはスーパーや百貨店、外食の主要企業が加盟して2012年秋に結成されているが、春闘ではパート組合員の賃上げ率は1~2%台で推移してきていた。
経済産業省のまとめで、2022年のキャッシュレス決済額は約111兆円となり、初めて100兆円を突破したことが明らかになった。消費全体に占めるキャッシュレス決済の比率も前年より3.5ポイント上昇の36.0%を占めていた。決済額の内訳をみると、クレジットカードが約93兆8千億円、QRコードなどを使うコード決済が約7兆9千億円、電子マネーが約6兆1千億円だった。キャッシュレス決済が伸びた背景には、新型コロナウイルス禍で、インターネット通販での商品購入や店舗での非接触決済サービスの利用が広がったとみられている。
日銀は3月企業短期経済観測調査で代表的な指標の大企業製造業の業況判断指数(DI)は前回調査から6ポイント悪化のプラス1となったと発表した。5四半期連続での悪化となった背景には、エネルギー価格や原材料の高騰に加え、海外経済での減速が響いたと指摘している。大企業非製造業は1ポイント改善のプラス20となり、製造業とは対照的に4四半期の改善となっている。また、非製造業を中心に人手不足も深刻で、雇用人員の過不足を示すDIは非製造業で5ポイント低下のマイナス33となっている。
国立研究開発法人水産研究・教育機構が発表したサンマ不漁に関する調査結果によると、温暖化を背景に北海道沖や三陸沖の水温が上昇するなど海洋環境の変化でエサが少なく、生育条件が悪い沖合に移動したことが原因であることを明らかにした。サンマの水揚げ量は2008年に約35万トンを記録していたが、昨年は約1万8千トンとなり、95%も激減している。同機構では「海洋環境で負の要因が重なっている」としたうえで、「一つずつ改善しないと大きな資源の増加につながらない」と指摘している。
石油輸出国機構(OPEC)プラスは、昨年11月から日量200万バーレルの原油減産を維持継続することを発表するとともに、サウジアラビアなどが5月から自主的に116万バーレル減産するとともに、ロシアも50万バーレル減産するとしている。結果、全体での減産量は日量366万バーレルとなり、原油相場は上昇傾向に向かうことになるとともに、物価の上昇圧力となり、世界的に景気の先行きにも不透明感が広がっている。
遺品整理事業を行っている林商会が20歳以上の男女を対象にした調査で、実家が空き家となった場合の対処を尋ねたところ、半数の50%が「売却する」と答えていることが分かった。「自分や親族が住む」(28%)、「賃貸に出す」(9%)、「そのままにする」(7%)、「更地にする」(6%)が続いた。売却を挙げた理由では、「固定資産税もかかり不要」「少しでも価値があるうちにお金にしたい」などが挙げられた。また、「実家が無くなったら寂しいか、寂しかったか」を尋ねたところ、69%が「寂しい」と答えていた。
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