社会・経済ニュースバックナンバー

2022年11月01日号

補正予算29兆円の総合経済対策を決定
政府は10月28日の臨時閣議で、物価高への対応を図るための総合経済対策を決定した。国の補正予算の一般会計で29兆1千億円とし、電気、都市ガス、ガソリンと灯油代の家計負担を軽減するとして、標準世帯で来年1月から9月まで月額5千円の負担軽減となる。また、少子化対策として、妊娠、出産した女性に10万円を給付することなどが盛り込まれている。岸田首相は「電気代引き下げなどにより来年にかけて消費者物価を1.2%引き下げる」ことを会見で表明した。

コロナ貸付金、返済免除は1295億円
共同通信が全国45都道府県の社会福祉協議会を対象にした全国調査によると、新型コロナウイルス感染拡大で収入が減った人に生活資金として特例で貸し付ける制度で、低所得などを理由として返済が免除された額は約1295億円に上ることが明らかになった。複数の貸付金で免除される人もあり、人数でみると延べ約39万人だった。貸付件数に対する免除割合が高かったのは、奈良(47.7%)、和歌山(46.3%)、青森(45.7%)となっている。

日銀、金融緩和策を継続・維持を決定
10月28日に開かれた日銀の金融政策決定会合で、現在の大規模な金融緩和政策を維持することを全員一致で決定した。また、2022年度の物価上昇率見通しを7月時点で示していた2.3%から2.9%に引き上げた。日銀では今後の日本経済の見通しについて、「新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐ下で、回復していくとみられる」としている。欧州中央銀行(ECB)は前日の27日に政策金利を2%に引き上げるとしており、欧米と日本との金利差から円安が加速しかねない状況下にある。

小中校、不登校は過去最多の24万人
文部科学省の問題行動・不登校調査によると、全国の国公私立小中学校で2021年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒数は24万4940人に上り、前年度より24.9%急増していることが明らかになった。不登校の児童生徒数は過去最多となり、背景について同省では「新型コロナウイルスの影響で運動会や遠足といった学校活動が制限されたことで登校意欲が下がった」ことに加え、「休校による生活リズムの乱れが戻らない事例の報告もあった」と指摘している。

2050年の再生エネ割合は29%
国際エネルギー機関(IEA)が発表した2022年版世界エネルギー展望では、各国政府が現行のエネルギー政策を継続した場合、2050年の世界の総エネルギー供給量に占める再生可能エネルギー割合は29%にとどまることを示した。IEAは原子力を含むクリーンエネルギーへの投資額は2030年まで年間2兆ドル(約290兆円)を超えると予測しているが、2050年に温室効果ガス排出ゼロを目指すには4兆ドル超が求められるとしている。

2019年大卒、「3年目離職率」が増加
厚生労働省の発表によると、2019年3月卒業で就職した人のうち、3年以内に仕事を辞めた人の割合は前年比0.3ポイント増の31.5%だったことが分かった。就職後3年目の離職率は10.0%で2018年3月卒業の3年目の離職率(8.3%)と比べて1.7ポイント増加している。産業別に3年離職率が高かったのは、宿泊・飲食業の49.7%で、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業が続いた。同省では「求人が持ち直し、転職しやすくなったのではないか」とみている。

全てのコロナ変異株に有効な抗体を開発
神戸大学の研究グループはこれまで発見された新型コロナウイルスの全ての変異株に有効な抗体を開発したと発表した。研究グループは新型コロナに感染した患者3人の血液から抗体をつくり、様々な変異株に対し感染予防効果のある「中和活性」を示すかを調べたところ、作り出した抗体の中の1つがオミクロン株の変異株「BA.5」などをはじめ、これまでの全ての変異株に対して有効な反応を示した。森教授は「見つかったユニバーサル抗体により、今後、発生することが見込まれる変異株や幅広い変異株に対応できる予防薬や治療薬の開発が期待できる」としている。

ひどい頭痛持ち、鹿児島県が全国1位
第一三共ヘルスケアが全国の20~50代の人を対象に行った頭痛に関する意識・実態調査で、ひどい頭痛持ちの人の割合は鹿児島県が25.7%で全国1位となり、鳥取、山梨県が続いていることが分かった。逆に少ない県は、滋賀県、青森県、岐阜県だった。頭痛の要因は、「疲労」が62.7%で、「肩こり・首こりや血行不良・体が冷えた時」(58.0%)、「ストレス」(53.8%)だった。ストレスの原因は「仕事・労働環境・職場の人間関係」が上位3県で高かった。

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