社会・経済ニュースバックナンバー

2022年09月20日号

8月の貿易赤字、過去最大の2.8兆円
財務省は8月の貿易統計で貿易収支は2兆8173億円の赤字だったと発表した。1979年以降で単月としては過去最大となった背景には、原油などの資源高や円安の進行が響いたことが挙げられている。輸入が前年同月比49.9%増の10兆8792億円で、輸出は同22.1%増の8兆619億円となっている。貿易赤字の最大要因となっている原油の円建て単価は1キロリットル=9万5608円で前年同月により4万4606円高く、また8月の為替公示相場は前年同月比22.9円円安の1ドル=135円08銭だった。

働く65歳以上の高齢者、18年連続増
総務省の推計によると、65歳以上の高齢人口に占める就業者の割合は25.1%で、65~69歳に限定すると就業者割合は50.3%となり、初めて5割を超えたことが明らかになった。初めて65~69歳の2人に1人が働いていることになり、高齢者自身の働きたい意欲と、政府が人口減少で生ずる人手不足対策で高齢者の就労を支援していることが背景にある。また、65歳以上の高齢者人口は3627万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は世界200カ国・地域で最高となっている。

2021年度医療費、過去最高の44兆円
厚生労働省の発表によると、2021年度に全国の医療機関に支払われた概算医療費は44兆2千億円に上ることが明らかになった。前年度比2兆円の増加で、過去最高を更新したことになる。同省では「コロナ関連費が増えた」とするとともに、「子ども外来診療が大きく伸びた」としている。外来診療が増えた背景には、コロナ感染流行を経て、人の流れが戻ったことで、外来診療が増えたものとみられている。コロナ患者の医療費は4500億円で前年度から1200億円増えている。

大手外食チェーンの58%が値上げ
東京商工リサーチが大手外食チェーン122社を対象に今年に入って値上げ公表を行った企業を調べたところ71社に及び、全体で58%だったことが分かった。7月時点での調査では44%だったが、原材料の高騰から価格転嫁を進めている実態が明らかとなっている。値上げ率をみると、5%以上10%未満が最多だった。また、業態別にみると、「中華・ラーメン」が最多で、「ステーキ・焼肉」「ファーストフード」が続き、価格高騰が続く小麦や牛肉を原材料に業態を展開する業種での値上げが際立っている。

企業倒産、5か月連続で前年実績を上回る
東京商工リサーチは8月の全国企業倒産(負債1千万円以上)は492件に上り、5カ月連続で前年実績を上回ったと発表した。負債総額は前年同月比22.5%増の約1114億円。資源価格の高騰や円安によるコストアップが経営に打撃を及ぼし、同社では「コスト増を価格に転嫁できない中小・零細企業にとっては、新型コロナ関連融資の本格的な返済が重荷になる」としたうえで、「年末に向け倒産件数の増加が懸念される」と指摘している。

100歳以上の高齢者は最多の9万人超
厚生労働省は100歳以上の高齢者は前年比4016人増えて、9万526人になったと発表した。52年連続で増えてきており、最多を更新した。女性が全体の88.6%を占める8万161人で、男性は1万365人だった。同省では増加の要因として「医療や介護が充実している」ことを挙げている。人口10万人当たりの100歳以上の高齢者の占める割合が高かった都道府県は島根(142.41人)で、高知(136.84人)、鳥取(132.60人)が続いた。

28都府県で出産一時金を上回る出産費
厚生労働省が医療機関での出産にかかる標準的な費用を都道府県ごとに調べたところ、28都府県で公的医療保険の財源から全国一律に妊産婦に支給される「出産育児一時金」(42万円)を上回っていることが明らかになった。出産費用が最も高かったのは東京の55万3千円で、最も低かったのは佐賀の35万2千円で、約20万円の開きがあった。支給される一時金で足りない分は自己負担となることから、政府は少子化対策として2023年度から支給額を大幅に引き上げる方針を掲げている。

希望する子ども数、過去最少の2人未満
国立社会保障・人口問題研究所が5年に1回実施している調査で、未婚者のうち将来結婚する意向のある人に希望する子どもの数を尋ねたところ、男性が平均で1.82人、女性が同1.79人だったことが分かった。男女とも過去最低で、とくに女性の希望が2人を割り込んだのは初めてとなる。同研究所では「新型コロナウイルス禍で感じた先行き不安が将来の希望や以降に影響した可能性がある」とみている。

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