2022年06月21日号
6月15日、米国連邦準備制度理事会(FRB)は主要政策金利の誘導目標を0.75%引き上げ、1.5~1.75%とすることを決定した。1994年11月以来、27年7か月ぶりの利上げ幅となる。金利引き上げの背景には、5月の消費者物価指数が4年間で最大の上昇率となり、物価高に歯止めがきかないことから、抑制に向けた金融引き締めを加速する姿勢がある。FRBのパウエル議長は「7月の次回会合でも0.5%か0.75%の大幅な利上げを実施する」との見解を示した。日米金利差拡大で、一段の円安ドル高が進展する構図が加速している。
非政府組織の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が発表した報告書で、核兵器を保有する9カ国における2021年の核兵器製造や維持のため計824億ドル(約11兆1千億円)を費やしたとする推計を明らかにした。国別にみると、米国が総額の5割超を占める442億ドル、次いで中国が117億ドル、ロシアの86億ドルが続いた。ICANは「現代の安全保障面の課題に対処する上で、大量破壊兵器が役立たないことは明らかだ」と核保有国へ批判メッセージを発している。
財務省が発表した5月の貿易収支は2兆3847億円の赤字となったことが明らかになった。赤字額は10か月連続で、単月としては2014年1月の2兆7951億円に次ぐ、過去2番目の大きさとなった。背景には、原油や石炭などのエネルギー価格の上昇に加え円安の進行がある。輸入は前年同月比48.9%もの大幅な上昇で、3か月連続で過去最大を更新した。輸出額は同15.8%増の7兆6367億円となり、5月の単月として過去最高となった。
東京商工リサーチのアンケート調査結果によると、5月上旬の円相場1ドル=130円前後の円安推移で、「経営にマイナス」と答えた企業は46.7%に上ることが明らかになった。4月の前回調査時点での1ドル=122~124円台で推移した折には、「マイナス影響」は39.6%だったが、一段と円安に振れる中で、経営を圧迫する状況に陥っている実態が浮き彫りとなった。業種別では、繊維・衣服等卸売業(80.3%)、織物・衣服・身の回り品小売業(80.0%)が円安で深刻な状況にある。
財務省と内閣府は4~6月期の法人企業景気予測調査で、大企業の全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス0.9だったと発表した。ロシアによるウクライナ侵攻により原油高が響き、自社の景況感が「下降した」とみる企業が「上昇した」とみる企業を上回った。大企業製造業はマイナス9.9となり、とりわけ自動車・同付属品製造業がマイナス25.4と大きく下落している。同期の中堅企業のBSIはマイナス2.1、中小企業はマイナス14.8だった。
健康保険組合連合会は2021年度経常収支状況が1387組合のうち1080組合が赤字に陥っていると発表した。全体の収支状況は経常収入が8兆1181億円、経常支出は8兆6279億円で、5千億円超の赤字となっている。最大の要因はコロナ禍で企業収益が下がるとともに、給与・賞与が下がるのに連動して保険料収入が落ち込んだことが挙げられている。加え、支出は保険給付費と拠出金などの義務的経費で構成されているが、高齢者医療を支える拠出金負担が重くなってきている。
閣議決定された2022年版男女共同参画白書によると、結婚歴のない30代の独身男女の4人に1人が「結婚願望なし」と回答していることが分かった。理由として、「自由でいたい」「家事育児の負担や不安」が挙げられた。また、20代男性の約7割が「配偶者、恋人はいない」と答えているとともに、約4割が「デートの経験がない」と答えていた。政府関係者は「未婚、晩婚、少子化に拍車をかけかねない」としている。2021年の婚姻数は戦後最少の約51万4千組だった。
閣議決定された「2022年版高齢社会白書」によると、「生きがいを感じている」と答えている人は72.3%で、「感じていない」と答えている人は20.5%だったことが分かった。生きがいを感じている人は収入を伴う仕事や地域の社会活動に参加している傾向が高かった。また、「パソコンの電子メールで家族・友人と連絡をとる」と答えた人は、「情報機器を使わない」と答えた人に比べ、生きがいを感じている割合が高い傾向がみられた。
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