2022年03月29日号
3月28日の外国為替市場での円相場は一時、1ドル=125円台を付けた。約6年7か月ぶりの水準となった背景には、利上げを加速させている米国と金融緩和策を継続する日本とで金利差がさらに拡大するとみて、円を売ってドルを買う動きが進んでいることが指摘されている。僅か1週間で4円近く円は急下落した。円安に振れることで輸入物価を押し上げることとなり、家計での負担増加から「悪い円安」との指摘の声も上がっている。
厚生労働省は顧客が従業員に威圧的な言動や理不尽な要求を出す「カスタマーハラスメント」(カスハラ)対策の企業向けのマニュアルを作成した。同省が2020年に実施した職場ハラスメント調査で、パワハラやセクハラとともに増え続けているカスハラで、健康不良や休職に追い込まれる深刻な実態に鑑みて、作成したもの。マニュアルでは、「店頭で対応せず個室に招いて2人以上で対応」「電話をたらい回しにしない」「冷静になりにくい夜間、早朝の訪問を避けるなど、シーン別にポイントを整理している。
国際通貨基金(IMF)や世界銀行など国際金融機関トップによる共同声明で、「成長減速、貿易激減、急激なインフレに直面するだろう」との強い警戒感を示した。ロシアによるウクライナ侵攻に端を発したロシアへの日米欧の経済制裁の影響で原油をはじめとするエネルギー価格や小麦などの食料の価格が上昇し、世界各国の人々の暮らしを直撃して、インフレ加速を演出している。IMFでは2022年の成長率を今年1月時点の4.4%から引き下げるとしており、4%を割り込むことも視野に入っている。
国立がん研究センターの実態調査結果で、がん患者の29%が亡くなる直前の1週間前に「強い痛み」を感じていたことが明らかになった。痛みの理由では、「医療者は苦痛に対処してくれたが不十分だった」が28%で、「診察回数や診療時間が不十分」(10%)が指摘された。ただ、回答の82%が「医療者はつらい症状に速やかに対応」と医療者への良好な評価もあった。センターでは「基本的な対応で取れない痛みや、がん以外の痛み、認知症で意思表示ができない時の痛みへの対応に工夫が必要だ」としている。
地震調査委員会が公表したマグニチュード8の巨大地震が今後30年間に起きうる「長期評価」で、巨大地震が想定されている南海トラフに隣接する日向灘や南西諸島で起こるとしたことが明らかになった。これにより、沖縄・与那国島周辺のM7級の地震は30年以内で90%の高い確率とした。委員会では「今回加わった地域はM8級の巨大地震は過去に起きた可能性が高く、将来も起きるというのが基本的な考え方だ」として警戒を呼び掛けている。委員会では東海―九州沖の南海トラフではM8~9級が30年以内に70~80%の確率で起こると既に予測している。
MMD研究所が2021年以降に初めて子供にスマホを与えた20~59歳の男女の親にスマホを持たせた時期を尋ねたところ、「小学生から」が51.6%だったことが分かった。小学生に次いで、「中学生から」が28.5%、「高校生から」が12.4%で、「大学生以上」が1.7%だった。スマホは「小学生から」という回答は、前回調査(2019年)時点から11.5ポイント増加しており、スマホデビューでの低年齢化が進んでいることを浮き彫りにしている。
厚生労働省は2021年の賃金構造基本統計調査で、フルタイムで働く労働者の残業代を除く平均月給は30万7400円だったと発表した。前年比0.1%減で、同省では新型コロナウイルス禍の影響で月給が減ったとみている。役職別(男女計)にみると、部長級が2.8%減、課長級が3.2%で、役職のない人は0.4%減で、役職者ほど賃金カットが進んだ実態にある。雇用形態別では、正社員が32万3400円だったのに対し、非正規労働者は21万6700円だった。
矢野経済研究所の調査によると、新型コロナウイルス感染拡大により、リラクゼーションと温浴の市場規模が大幅に減少していることが分かった。2020年の同市場での売上高は2759億円だったが、コロナ禍前の2019年の3780億円から27.0%減少していた。とくに、健康ランドやスーパー銭湯などの温浴施設では30.2%の減少だった。同研究所では「2021年の売上高はやや回復の3060億円になる」と予測している。
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