2021年11月30日号
世界保健機関(WHO)は南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株を「オミクロン株」と命名したうえで、最も警戒レベルの高い「懸念される変異株(VOC)」に指定した。WHOはオミクロン株に関して、「デルタ株よりも感染力が強く、ワクチン効果減の恐れがある」と定義し、再感染の危険性が増しているとした。感染再拡大の危惧から世界的同時株安が進み、警戒感が拡がってきている。
国立がん研究センターの発表によると、2020年に全国のがん診療連携拠点病院である863病院で「がん」と診断された人は104万人に上ったものの、前年比6万人減ったことが明らかになった。背景には、新型コロナウイルス感染拡大で検診や受診を控える人が増えたことによるものとみている。1施設当たりの減少率は4.6%となっている。また、部位別にみると、胃がんの減少幅が大きく、男女ともに10%もの減少となっている。
閣議決定された2021年度補正予算案の歳出総額は補正予算案としては過去最大となる35兆9895億円に上り、財源の約6割に当たる22兆1千億円について新規国債を発行するとしている。当初予算と合わせた2021年度一般会計の歳出総額は142兆5992億円となり、過去2番目の規模となる。これにより、国債残高は2021年度末には初めて1千兆円を突破することが確実視されている。政府は今回の経済対策で国内総生産(GDP)を5.6%の押し上げる効果があるとしている。
6月末時点での少額投資非課税制度(NISA)の口座数は1711万を突破したことが明らかになった。2014年に制度が始まってから7年目を迎えており、この1年間で228万口座が増えている。一般のNISAは、毎年120万円までの投資を対象に、株式や投資信託の譲渡益などが最長5年間、非課税となる制度で、2018年には「つみたてNISA」が新設され、投資枠を毎年40万円に限定して非課税期間を最長20年までに延ばしている。今年6月末時点での「つみたて」の年代別保有状況では、30代が28%、40代が25%で、現役世代が資産形成に努めていることを浮き彫りにしている。
政府は近く開催する景気動向指数研究会での議論を経て、2018年11月から始まった景気後退局面が2020年5月に終わったことを認定する方針であることが明らかになった。2020年5月は新型コロナウイルス感染拡大により初めて緊急事態宣言が全国に発出された時期で、日本経済が後退局面から拡大局面に転換した、いわゆる「景気の谷」と認定することになる。政府は昨年7月に同研究会での議論を踏まえ、拡大局面から後退局面に転換した「景気の山」を2018年10月だったと認定している。
森記念財団の発表によると、2021年の世界主要都市の総合ランキングで首位は10年連続でロンドンとなった。都市ランキングは経済や居住など6分野の70指標を総合評価して選出されるもので、日本では東京が6年連続での3位、大阪が36位、福岡が42位となっている。日本で最上位となった東京の評価では、経済は前年と同じ4位を維持し、新型コロナ感染症流行でリモートワークが浸透したこともあり働き方の柔軟性の評価順位を押し上げた。
文部科学省と厚生労働省の調査によると、10月1日時点での来春卒業予定の大学生の就職内定率は71.2%になっていることが分かった。前年同期から1.4ポイント上回っており、昨年の新型コロナウイルス感染拡大で採用環境が悪化したが、2年ぶりに70%台に回復している。文科省は「業績回復で採用数を増やした企業が多かった」とみている。内定率は、男子が70.7%、女子が71.7%で、文系が70.8%、理系が72.6%となっている。
SMBCコンサルティングは2021年「ヒット商品番付」で、東の横綱に「東京五輪・パラリンピック」、西の横綱に「新型コロナウイルスワクチン」を選出したことを発表した。今年の象徴的な出来事や人物などを番付方式で選出しているもの。張出横綱では米大リーグでMVPに選ばれた「大谷翔平選手」と、横綱昇進となった「照ノ富士関」また、大関にはノーベル物理学賞に輝いた「真鍋俊郎教授」、マスターズで優勝したプロゴルファーの「松山英樹選手」が選出された。
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