社会・経済ニュースバックナンバー

2021年11月23日号

7-9月期GDP、2四半期ぶりのマイナス
内閣府は7~9月期の国内総生産は(GDP)は前期比0.8%マイナスとなったと発表した。2新半期ぶりのマイナスとなり、年率換算で3.0%の減少となった。同期は東京オリンピック・パラリンピックの開催時期だったが、新型コロナの感染拡大での4度目となる緊急事態宣言が発令された時期でもあり、個人消費が冷え込んだことに加え、世界的な半導体不足から自動車の生産・輸出が伸び悩んだことが響いている。

原油高対策、初めて国家備蓄を放出
政府は原油高対策として、国家備蓄している石油を放出することとした。米バイデン政権が日本と韓国などに原油高進行を抑止するため協調して備蓄を放出することを打診していたことに応えるもので、国家備蓄の放出は初となる。石油備蓄には、国家備蓄と民間備蓄があり、9月末時点での国家備蓄は国内消費量の145日分、民間備蓄は90日分ある。年末に向け、原油高により、ガソリンや灯油価格が高騰してきており、国民生活への影響が広がっている。

過去最大規模の経済対策を閣議決定
政府は新型コロナウイルスに対応した55兆7千億円に上る財政支出となる経済対策を閣議決定した。これらの国と自治体の財政支出に加え、民間の支出額などを加えた事業規模は78兆9千億円に達し、国内総生産(GDP)の成長率は5.6%押し上げられるとしている。今回の経済対策は過去最大となるが、赤字国債の発行は避けられない状況にある。この経済対策の裏付けとなる2021年度補正予算は12月中旬の成立を政府は目指している。

フリーランスの4割がトラブルを経験
連合が20~59歳のフリーランスを本業に働く1千人を対象に、1年以内に報酬支払の遅れや不払い、仕事内容のトラブルを経験したことがあるかを尋ねた調査によると、39.7%が経験したことがあると答えていることが分かった。具体的な内容では(複数回答)、最多の29.5%が「報酬支払の遅延」「一方的な仕事内容の変更」が挙げられ、「不当に低い報酬額の決定」「一方的な継続案件の打ち切り」が続いた。トラブルを経験した人の対処法を尋ねたところ、「何もしなかった、できなかった」が31.2%に上った。

円安ドル高、4年8か月ぶり水準に
11月17日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=114円97銭まで下落し、2017年3月以来、約4年8か月ぶりに円安ドル高水準となった。円安は原材料などの輸入価格を押し上げる要因ともなり、加えて原油高基調から家計への重圧になりかねない状況にある。一方、輸出企業にとっては円安が有利に作用するものの、輸出の花形である自動車メーカーにとっては世界的な半導体不足から製造・輸出が思うに任せない状況にある。急激な円安ドル高に転じた背景には、経済指標が堅調な米国の長期金利が上昇し、円売りドル買いが進んだことが挙げられている。

スパコン「富岳」、4期連続で世界一に
理化学研究所の発表によると、計算科学研究センターで3月から本格稼働しているスーパーコンピューター「富岳」が計算速度などの性能ランキング4部門で世界一となったことが分かった。4期連続で「4冠」を達成したのは世界で初となる。富岳は産業利用で使う計算性能、人工知能で活用する計算性能、ビッグデータを扱う計算性能の3部門でも1位となった。計算速度ランキングの「TOP500」によると、富岳は毎秒44京2010兆回の計算が可能で、2位の米オークリッジ国立研究所の「サミット」の計算能力を約3倍超上回っている。

5大銀行の純利益は77%増の過去最高
三菱UFJファイナンシャル・グループなどの5大銀行の2021年9月中間連結決算によると、純利益の合計は前年同期比77.4%増の1兆8150億円に上り、過去最高となったことが明らかになった。政府保証などによる資金繰り支援が行き届き、融資の貸し倒れに備えた与信関係費用が大幅に減少したことが寄与している。過去最高の純利益高となったものの、みずほ銀行の坂井社長は「コロナ感染再拡大への懸念や経済回復ペースの鈍化など、先行きには不透明感が残存している」と警戒感を示している。

新婚夫婦の6割が結婚式を挙げていない
明治安田生命保険が2019年10月以降に結婚した20~70代を対象に、結婚式を挙げたかを尋ねたところ、58.8%が「挙げていない」と答えていることが分かった。また、68.8%が「新婚旅行に行っていない」と答え、新型コロナウイルス感染拡が、新婚夫婦に影響を与えていた。同研究所では「式典や旅行を取りやめたり、規模を縮小したりする動きが、家財道具などに多くの予算を割く要因となった」と分析している。

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