社会・経済ニュースバックナンバー

2021年09月14日号

緊急事態宣言、19都道府県で延長へ
9月13日、政府は新型コロナウイルス対策特別措置法に基づき、感染が依然として沈静化していない東京都をはじめ19都道府県を対象に9月30日を期限として延長することした。また、まん延防止等重点措置対象を福島などの8県を30日まで延長するとともに、これまで重点措置対象だった富山など6県は9月12日の期限で解除した。また、政府は新型コロナウイルスのワクチン接種が進む11月頃をめどに、行動制限を緩和する案をまとめた。

アルミ原料価格、13年ぶりの高値に
ロンドン金属取引所でアルミニウムの3か月物が9月8日に一時1トン=2800ドルを突破した。2008年8月以来の高値となり、今後、アルミを使った製品等への価格転嫁は避けられない状況にある。大幅な高値となった背景には、アルミの原料となる鉱石ボーキサイトの産出国であるギニアでのクーデター政変が起きたことが指摘されている。ただ、ギニア産出のボーキサイトの主な輸出国は中国で、日本向けはゼロとなっているものの、世界的な原料不足からの製品価格上昇の可能性がある。

輸入小麦の売り渡し価格19%引き上げ
農林水産省の発表によると、国が輸入した小麦を製粉会社等に売り渡す価格を2021年10月期〈10月~2022年3月〉はこれまでより19.0%引き上げるとした。売り渡し価格の引き上げは、国際相場が高騰していることが背景にある。今回の引き上げで小売価格の値上げ幅を同省では、食パン1斤で2.3円、うどん〈外食〉1杯で1.4円、中華そば〈外食〉1杯で1.0円と試算している。製粉会社では3か月分の在庫を保有しており、本格的に小売価格に反映されるのは来年1月頃になるとみられる。

後発薬、生産停止で供給不足が深刻化
ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーでの不正が昨年から今年にかけて相次ぎ、生産を停止していることなどから供給不足状態にある。加えて、医療機関や薬局などが供給不足を懸念して在庫確保から購入量を増やし、一段と品薄感が広まってきている。後発薬の全国の数量シェアは日本ジェネリック製薬協会のまとめによると、2020年度で79.4%となり、政府が2020年9月までに80%とする目標に近づいていた。後発薬は医療費抑制に大きく寄与してきており、供給不足による混乱は避けられない。

夏季賞与、12年ぶりの下げ幅に
厚生労働省が発表した主要民間企業の2021年夏の一時金の妥結額平均は前年比6.59%減の77万3632円だったことが分かった。3年連続の減少となり、下げ幅としては、リーマンショック後の2009年の15.6%減に次いで12年ぶりの大きさとなった。新型コロナウイルス感染拡大によって、企業業績が悪化したことが響いている。全21産業で12産業が前年を下回り、鉄道などの運輸が32.51%減で最も下げ幅が大きく、前年比プラスだった産業も小幅な伸びにとどまった。

就職を希望する高校生、10.3%減
厚生労働省が公表した2022年3月に卒業する高校生と中学生の求人・求職状況によると、7月時点で就職を希望する高校生は前年同期比10.3%減となっていることが明らかになった。昨年に続き、2年連続で大幅減となっている背景には、新型コロナウイルス感染拡大で、進路を進学や公務員志望に切り替える人が増加したものとみられる。一方、高卒の求人数は2.9%増の34万5563人で増加がみられている。とくに、求人全体の3分の1を占める製造業は12.0%もの大幅な増加となっている。

全国民の5割がコロナワクチン2回目接種
政府の発表によると、9月9日時点での新型コロナウイルスワクチンの2回目接種を受けた人の割合は全国民の49.8%に達したことが明らかになった。感染後、重症化に陥りやすい65歳以上の高齢者の接種率は8割以上に達している。また、読売新聞が国のデータを基に調べたところ、0~64歳への2回目の接種率を都道府県別に集計したところ、最も高かったのは山口県〈36.1%〉で、和歌山県〈34.4%〉、熊本県〈33.6%〉が続いた。最も低かったのは岩手県〈18.1%〉だった。

7割が「ごみ出にくい包装」を意識し購入
博報堂が全国の16~69歳男女を対象に「生活者のサステナブル購買行動調査」で、ファッション・アパレル商品を購入する際、73%の人が「ごみが出にくい包装形態かどうか意識して買いたい」と答えていることが分かった。次いで、「マイクロプラスチックが出ない素材のものを買いたい」〈72.7%〉、「環境・社会問題に積極的に取り組むブランドを買いたい」〈71.7%〉が挙げられ、消費者の環境問題やSDGs〈持続可能な開発目標〉への関心の高さを浮き彫りにしている。

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