社会・経済ニュースバックナンバー

2021年08月10日号

IMF、日本の成長率はG7で唯一悪化予測
国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しで2021年の日本の実質経済成長率は今年4月予測時点から0.5ポイント引き下げて2.8%としたことを発表した。2021年の世界全体での経済成長率見通しは4月時点での予測時と変わらない6.0%で、1980年以降で最大となる。先進7カ国(G7)は0.5ポイント上昇の5.6%と予測したが、唯一日本だけが下方修正となった。日本の悪化理由について、IMFは「感染防止として実施した飲食店などの営業規制が影響した」と指摘している。

航空各社のお盆予約、増加傾向に
航空各社が発表したお盆休み期間の8月6~15日までの予約状況によると、国内線は前年比1.4倍の165万2千人に上ることが明らかになった。また、国際線は同2.7倍の5万4千人に上り、国内線とともに、増加傾向がみられた。増加している背景について全日空の担当者は「ワクチン接種が進んだことから、里帰りする人の需要が増している」と分析している。また、JRの同期間の予約数は前年比1.1倍だった。

感染拡大を受け、緊急事態を6都府県に
政府は新型コロナウイルス感染症対策本部を開催し、感染が拡がる埼玉、神奈川、千葉、大阪の4府県に緊急事態宣言発令を決定するとともに、現在発令中の東京都と沖縄県については期限を8月31日まで延長することを決定した。また、北海道、京都、石川、兵庫、福岡の5道府県についてはまん延防止等重点措置を適用するとした。また、国内での感染者は7月29日に、初めて1万人を超えた。緊急事態宣言発令は経済へ打撃が大きく、野村総研は経済損失が2兆1900億円に上ると試算している。

雇用調整助成金支給決定額は4兆円に
厚生労働省の集計によると、新型コロナウイルス感染拡大で雇用悪化に対応して昨年から実施している雇用調整助成金の支給決定額が7月26日時点で4兆円を超えたことが明らかになった。これにより雇用調整助成金の原資となる雇用安定資金は2019年度末時点では1兆5410億円に上っていたが、厚労省は2021年度末には864億円にまで減少すると試算している。原資財源の枯渇が危惧されており、同省では雇用保険料の引き上げを検討し、近く労働政策審議会に保険料率の改訂を諮問する考えである。

2020年度ふるさと納税は過去最高に
総務省のまとめによると、2020年度のふるさと納税の寄付総額は約6725億円となり、過去最高となった。寄付件数も約3489万件に上り、制度が始まった2008年度以降、12年連続で最多を更新した。ふるさと納税が寄付額、件数ともに増えた背景には、コロナ感染拡大での「巣ごもり需要」があったためとみられている。自治体別の受け入れ額では、宮崎県都城市が最高の135億2500万円で、北海道紋別市(133億9300万円)、北海道根室市(125億4600万円)が続いた。

2021年産米は初の700万トン割れに
農林水産省が公表した2021年産主食用米の作付面積は前年比6万2000?6万5000ヘクタール減ることが明らかになった。作付面積が減ることで、主食用米の生産量は694万~696万トンになると見込まれ、2008年以降で初めて700万トンを割り込むこととなる。これまで主食用米の需要は年約10万トンのペースで落ち込んできていることに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外食需要が縮小し、さらに産地では飼料用米などへの転作を強化していることが背景にある。

4~6月期の米GDP、過去最大の増加
米商務省の発表によると、2021年4~6月期の実質国内総生産は年率換算で6.5%となり、コロナ禍以前の2019年10~12月期を上回り、過去最大となったことが明らかになった。コロナワクチン接種が進んだことが背景にあり、経済活動の回復とともに、GDPの約7割を占める個人消費が11.8%増となった。今年3月から1人当たり最大1400ドル(約15万円)の支給されたこともあり、小売の売上高は4月に過去最高を更新するとともに、サービス消費も12.0%もの大幅増となっている。

小中生の裸眼「1.0未満」割合が最悪
文部科学省が発表した2020年度学校保健統計調査の結果によると、裸眼視力が1.0未満は、小学生が前年度比2.95ポイント増加の37.52%、中学生が同0.82ポイント増の58.29%だったことが分かった。小中学生の裸眼1.0未満はいずれも過去最悪となっており、同省では「スマートフォンなどデジタル端末の利用時間の増加が要因ではないか」とみている。また、標準体重より20%思い「肥満傾向」の割合は、ほとんどの年齢で前年度より増えていた。

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