社会・経済ニュースバックナンバー

2021年07月20日号

最低賃金、過去最大の28円増を答申
中央最低賃金審議会は、7月16日、2021年度の地域別最低賃金の改訂で都道府県の時給を一律28円引き上げる目安をまとめ、田村厚労相に答申した。全国の平均額は、現行の時給平均額は902円から930円になるもので、今後、この答申を基に都道府県の地方審議会での審議が行われ、10月頃から新たな最低賃金が適用されることになる。経営側の委員からはコロナ禍で疲弊している経営の現状にあり、過去最大幅となる引き上げ幅には反対を表明しており、地方での審議会での紆余曲折も見込まれる。

2020年度地方税収、4年ぶりの減少
総務省の発表によると、2020年度の地方税収は前年度1.6%減の41兆6621億円になるとした決算見込み額を発表した。消費税増税により地方消費税は増えたものの、4年ぶりの減少に転じた背景には、新型コロナウイルス感染拡大によって企業業績の悪化を反映し、地方法人2税(住民税・事業税)が大幅に減少した。2021年度もコロナの終息が見通せない状況となれば、地方自治体の財政は厳しさが増すことが危惧されている。政府は2021年度の地方税収は39兆6千億円と見込んでいる。

OPEC、原油減産を縮小することで合意
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国の原油国で構成される「OPECプラス」は今年8月以降から2022年年末まで毎月日量40万バーレルずつ減産縮小することで合意した。合意した背景には、新型コロナウイルスワクチン接種が進み、経済活動が段階的に回復に向かい、原油需要が増していくとの見通しから、減産縮小を決定した。減産縮小への方針転換で、原油供給への不安や市場の混乱は緩和されていくと指摘されている。

国保、加入者減で936億円の赤字
厚生労働省の発表によると、国民健康保険の2019年度の実質的収支は全国で936億円だったことが明らかになった。2018年度には初めて黒字化を達したが、1年で赤字に陥った背景には、加入者が減少し、保険料収入が減少したことが主な要因であると同省では分析している。事実、2019年度は加入者が3.3%減少の2660万人となり、収入保険料も1.2%減となった。国民健康保険の保険料納付率は全国平均で92.92%。また、1人当たりの給付費は3.4%増の32万316円だった。

米、消費者物価と卸売物価が高水準に
米労働省の発表によると、6月の消費者物価指数が前月比0.9%上昇し、上昇率は2008年6月以来、13年ぶりの高水準となったことが分かった。また、同省が発表した6月の卸売物価指数はモノとサービスを合わせた総合指数が7.3%上昇し、比較可能な2010年11月以降で最大となった。背景には、新型コロナウイルス禍から一転して経済活動が本格化し始めたことで、需要が拡大したのに対し、供給が制約されたことや原材料価格が高騰したことが挙げられている。

経産省試算、太陽光の発電コストは最安
経済産業省が有識会議で示した2030年時点での発電コストの新たな試算によると、太陽光発電コストが原子力発電を下回ることが明らかになった。2015年の試算では最安とされた原子力は東京電力福島第1原発事故を契機に安全対策費が膨らんだことから、今回の試算では約1割上昇した。今回示された試算結果によると、1キロワット時の発電コストは、原子力が11円台後半で、太陽光発電は事業用が8円台前半から11円台後半、住宅用は9円台後半から14円台前半となっている。

酒卸売業、過去最多の休廃業に
東京商工リサーチの調査によると、2020年に休廃業した酒類の卸売業者は全国で109社に上ったことが分かった。比較が可能な1999年以降で最多となった背景には、新型コロナウイルスの感染拡大により、顧客である飲食店が国の休業等の施策により酒類の提供が制限されたことが挙げられている。酒類卸売業者460社の決算を集計したところ、2020年に期末を迎えた114社が赤字に陥っていた。また、同社が酒類の小売業も調査したところ、2020年の休廃業は過去10年間で最多の225社に上っていた。

既婚男性の4割超が育休取得しない
内閣府が行った調査で、20~30代の既婚男性の42.2%が育児休業を取得しないと答えていることが分かった。取得するとする向きの取得期間は、「1週間未満」が最多の17.1%で、「1~2週間未満」(8.9%)、「2週間~1カ月未満」(5.0%)が続いた。1カ月以上の育休を取得しない理由を尋ねたところ(複数回答)、「職場に迷惑かけたくない」が最多の42.3%で、「収入が減少してしまう」(34.0%)、「職場が男性の育休取得を認めない雰囲気であるため」(33.8%)が続いた。

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