社会・経済ニュースバックナンバー

2021年06月15日号

OECD、2021年成長率5.8%に引上げ
経済協力機構(OECD)は2021年の世界全体での実質経済成長率について、3月発表時の5.6%から5.8%に引き上げると発表した。新型コロナウイルスのワクチン接種が世界的に広がり、経済活動が次第に再開してきていることや、各国での財政出動による景気刺激策が効果を発揮するものとみている。日本については、今年に入り緊急事態宣言が再発令されたことより経済成長が鈍るとして、3月発表時の2.7%から2.6%に小幅に引き下げられた。

生活保護申請件数、11年ぶりに増加に
厚生労働省の集計によると、2020年度1年間の生活保護申請件数は前年度比5039件増の22万8081件だったことが分かった。リーマン・ショック後の2009年度に過去最多の34万9223件となって以来11年ぶりに増加に転じた。母子世帯や障害者世帯などを除いた64歳以下の現役世代の受給世帯数は前年同月比2.7%増の24万7682世帯だった。現役世代はコロナ感染拡大前には減少傾向にあったが、雇用情勢の悪化から昨年3月以降、12ヵ月連続で増加している。

1~3月期全産業の経常利益は26%増
財務省は2021年1~3月期の法人企業統計で、全産業の経常利益が前年同期比26.0%増の20兆746億円になったと発表した。8四半期ぶりにプラスに転じた背景には、国内外の自動車販売が好調だったのをはじめ、製造業が63.2増と大幅な伸びを示した。非製造業は、依然、新型コロナウイルス感染拡大の長期化で宿泊・飲食は厳しい局面にあるものの、サービス業が40.6%もの高い伸びを示し、全体では10.9%増と5四半期ぶりに増益となった。

ラニーニャ現象が終息、今年は暑い夏に
気象庁が発表した最新のエルニーニョ監視速報で、昨年から続いているラニーニャ現象の特徴が終息したことを明らかにした。その上で、同庁は今年の夏は平常の状態となり、ラニーニャやエルニーニョ現象による夏の気候への影響はないとしている。また、ウェザーニュースの今夏の見通しでは、太平洋高気圧が7月下旬と8月下旬に日本上空で高気圧の勢力が強まるとともに、上空高くにあるチベット高気圧も本州近くに貼り出し、2つの高気圧により、厳しい暑さをもたらす夏となると予想している。

脱炭素の潮流で、レアメタルが高騰
田中貴金属工業の公表によると、自動車の排ガス浄化の触媒に使うレアメタル(希少金属)であるロジウムの価格が今年4月時点で1グラム当たり約10万1千円となっていることが明らかになった。ロジウムは昨年5月時には約2万7千円となっており、僅か1年足らずで3.7倍、5年前の4月時点からは約34倍にも高騰している。高騰している背景には、世界的な脱炭素の流れを受け、欧州や中国の環境規制もあり、レアメタルへの需要が大きく高まっていることが挙げられている。

60歳以上の3割超が「親しい友人いない」
閣議決定された2021年版高齢社会白書によると、家族以外の「親しい友人がいない」と答えた60歳以上の人の割合は31.3%だったことが分かった。5年前の調査時点から5.4ポイント増加しているとともに、米国の14.2%、ドイツの13.5%、スウェーデンの9.9%と比べても、日本は高い水準にある。背景に、男性の単身世帯が増加しているものとみられる。このため、政府は、高齢者が地域社会から孤立しないよう、社会活動への参加を促す取り組みを推進するとしている。

テレワーク未実施理由は「職場認めず」
リクルートワークス研究所が20~59歳の就労者を対象に、今年1月からの2回目の新型コロナウイルス緊急事態宣言中にテレワークをしなかった理由を尋ねたところ、「職場で認められていないから」が最多の56.4%だった。これに続く未実施の理由では、「認められているが対応できない業務のため」(39.1%)、「職場で仕事がしたい」(4.5%)が続いた。同社の調査で、1週間に1時間以上テレワークした人は、昨春の宣言時は32.8%だったが、2回目の今春は25.4%に減少していた。

初婚年齢、夫31.0歳、妻29.4歳に低下
厚生労働省の人口動態統計月報年計によると、2020年婚姻件数は前年比約7万3千件減の52万5490組となり、コロナ禍で結婚を先延ばしする傾向がみられた。また、2020年の初婚年齢は、夫31.0歳、妻29.4歳で、夫妻共に前年より低下している。平均初婚年齢を都道府県別にみると、夫の初婚年齢は山口と沖縄が30.0歳で最も低く、東京が32.1歳で最も高かった。妻は、岡山と山口が28.7歳で最も低く、東京が30.4歳で最も高かった。

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