2021年01月12日号
菅首相は1月7日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開催し、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象地域とした緊急事態宣言を発令した。首都圏での新規感染者数の増大に伴う医療体制のひっ迫を背景に、感染抑止を優先する方針を示したもので、期間を1月8日から2月7日までの1カ月とした。発令により、飲食店に営業時間を午後8時まで短縮することを要請するとともに、テレワークによる出勤を7割減、イベント開催の要件の厳格化などが盛り込まれた。
厚生労働省が発表した11月の毎月勤労統計によると、労働者1人当たり基本給や残業代を合わせた現金給与総額は27万9095円だったことが明らかになった。前年同月比2.2%の減少となり、4月から8カ月連続でマイナスとなった。給与総額のうちボーナスに当たる特別給与は同22.9%減と大幅に減少しており、新型コロナウイルス感染拡大で企業業績が悪化したことが背景にある。物価を加味した実質賃金は同1.1%減で、9カ月連続でマイナスとなった。
世界銀行は2021年の世界全体の実質成長率を4.0%との予測を発表した。昨年6月に発表した予想から0.2ポイント下方修正した背景には、新型コロナウイルスの流行が世界中で長引くものとみている。今回発表の予測はワクチンが世界で広く普及することを前提としたもので、ワクチン普及が滞り感染拡大が継続することでのシナリオでは1.6%に悪化すると見通している。また、世銀は「債務リスクが大幅に高まっている」と指摘し、早期の改善を求めている。
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表によると、2020年の国内新車販売台数は459万8615台となり、前年比11.5%減と落ち込んだことが分かった。減少率で見ると、2011年の東日本大震災があった2011年の15.1%減以来の低水準となった。軽自動車は10.1%減の171万8088台、軽自動車以外の自動車は12.3%減の288万527台だった。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や自動車大手の減産が影響したことが背景にある。
野村総合研究所は1都3県を対象に緊急事態宣言が発令された場合、1カ月間で4兆8900億円の個人消費が消失するとの試算結果を発表した。昨年4~5月に全国で宣言が発令された時は約22兆円の個人消費が消失したと見込んでいるが、対象を1都3県に1カ月間に絞ると影響は2割強に抑えられるとみている。試算した同研究所の木内エグゼブティブ・エコノミストは「何とか持ちこたえてきた企業の破たんや廃業が増加し、失業が増える恐れがある」ことを指摘している。
警察庁の集計によると、2020年の全国の交通事故死者数は2839人だったことが分かった。前年より376人少なく、統計が残る1948年以降で最も少なかったものとなり、2千人台は初となった。同庁では、安全運転の意識が向上したことや車両安全性能が高度化したことがあり、減少の要因となったとみている。また、事故数も前年より約7万2千件少ない30万9千件、負傷者数も約9万3千人少ない36万8601人にとどまり、それぞれ約20%減少した。
イギリス政府は日本製の関節炎治療薬の「トシリズマブ」と「サリルマブ」が新型コロナウイルス感染症の治療にも有効だとの見解を発表した。イギリス政府が資金支援した臨床試験の結果、集中治療室に運ばれた患者に24時間以内に投与したところ、死亡リスクを24%引下げるとともに、入院期間を7~10日間短縮できるとした。トシリズマブは大阪大学と中外製薬が共同開発した日本の治療薬。既にコロナ治療薬では、抗炎症薬「デキサメタゾン」に続くものとなる。
警察庁は1月10日の「110番の日」に合わせて発表した昨年1~11月までに全国の警察が対応した「110番通報」は765万4794件だったことが分かった。前年より約64万件少なく、2010年以降で最少だった。緊急対応が必要な通報のうち、事故や違反などの「交通関係」が最も多い238万9859件で、犯罪や不審者関連などの「各種情報」、泥酔者や認知症の高齢者らの「保護・救護」、「災害関係」が続いた。110番通報から警察官が現場に到着するまでの時間は全国平均で7分54秒だった。
上へ