2020年12月29日号
12月21日、政府は一般会計総額が106兆6097億円となる2021年度予算案を閣議決定した。歳入では新型コロナの影響で税収が9.5%落ち込む57兆4480億円と見込み、財源不足を補うための新規国債発行額は43兆5970億円に膨らみ、国と地方を合わせた長期債務残高は2021年度末に1209兆円に達する見通しとなった。また、歳出では、高齢化の進展で社会保障費が35兆8421億円と過去最大を更新するとともに、新型コロナ対策の予備費5兆円を積むこととなった。
第一生命経済研究所がまとめた試算によると、妊娠届の減少が続く場合、2021年の出生数は77万6千人に落ち込むことが明らかになった。また、同様の試算結果を公表した日本総合研究所は79万2千人になるとしている。双方の民間調査機関が80万人を割込むとみており、少子化が一層進展していくという危惧が強まっている。日本総研では、「出生数の少ない期間が長期化すれば、将来の子どもの数や労働力にも影響する」としており、高齢者の支え手である子ども減少は社会保障にも影を落としかねない。
厚生労働省の予防接種に関する専門部会は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の優先順位を決定した。公表された接種の工程と対象者は、2月下旬に安全性調査への参加に同意の得られた医療従事者、3月中旬に新型コロナ診療などに関わる医師や救急隊員・保健所職員、3月下旬に65歳以上の高齢者、4月以降は慢性の心臓疾患など持病のある人や高齢者施設や介護施設などで働く人、その他の一般の人に接種を始めるとしている。
リクルートワークス研究所が従業員5人以上の民間企業を対象にした2022年卒の大学生・大学院生の採用に関する調査結果によると、2021年卒に比べ採用人数を減らすとした企業は11.6%、増やすとした企業は7.7%だったことが分かった。採用減が採用増を上回ったのは11年ぶりとなった背景には、新型ウイルス感染拡大が響いている。採用を減らすとする企業を業種別にみると、飲食・宿泊業が21.6%で最も高く、情報通信業13.4%、機械以外の製造業が13.3%で続いた。
日銀が発表した7~9月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産の残高は9月末時点で1901兆円となったことが分かった。前年同月比2.7%増となり、過去最高を記録した。新型コロナウイルス感染拡大により外出の自粛や雇用不安から消費が抑制されたことが挙げられている。現預金残高は4.9%増の1034兆円となり、伸び率と残高も過去最高を更新しており、節約志向が高いことを裏付けた。内訳では、現金が97兆円、預金が937兆円となっており、国民1人当たり10万円の特別定額給付金の支給が現預金残高を押し上げたとみられる。
厚生労働省のまとめによると、今年8~10月に全国の市町村に提出された妊娠届の件数は前年同月比で1.0~6.6%減となっていることが明らかになった。背景について同省では、「新型コロナウイルス感染拡大が影響している可能性がある」とみており、コロナ禍で人口減少が加速する危惧が指摘されている。妊娠届は今年4月には前年比0.3%減にとどまっていたものの、5月には17.6%減、6月に5.7%減、7月は5.7%減、8月は6.0%減と、月を追うごとに落ち込みが見られている。
チリ軍の発表によると、南極の最北端にあるオヒギンズ基地で少なくとも36人が12月22日に新型コロナウイルスに感染したことが明らかになった。これにより、世界7大陸の全てでコロナウイルスが及ぶという事態に陥った。これまで南極の観測所や軍事基地でコロナウイルスを持ち込まないようにとの配慮から観測活動の規模縮小や観光の中止などの措置が講じられてきていたが、今回、チリ軍基地で初めて感染が確認され、感染者は既に隔離されているとともに、重症患者は出ていないと軍当局は発表している。
読売新聞社が公立小中学校を所管する46道府県、政令市、東京都23区を対象にしたアンケート調査によると、74市区のうち、69市区がデジタル教科書の使用について「不安や懸念」を抱いていることが分かった。9割を超える市区がデジタル教科書への不安や懸念を抱いているが、望ましい教科書の形を尋ねたところ、62市区が「神とデジタルの併用」と答えた。デジタル教科書への不安な点を尋ねたところ(複数回答)、「視力の低下など健康面の影響」(55市区)が最も多かった。
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