社会・経済ニュースバックナンバー

2020年09月15日号

4~6月期GDP改定値、速報値から拡大
内閣府は2020年4~6月期の国内総生産(GDP)確定値が前期比7.9%減、年率換算で28.1%減となったと発表した。速報値で戦後最悪となる年率27.8%減としていたが、改定値ではさらに悪化幅が拡大したことになる。マイナス成長は3四半期連続となる。7~9月期はプラス成長となる見通しにあるが、個人消費が弱含みとなっており、急激な回復は望めない状況にある。

大卒内定率、前年同期比8%減に
リクルートキャリアの発表によると、2021年卒業予定の大学生の就職内定率は、9月1日時点で前年同期比8.7%減の85.0%だったことが明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大により、外出自粛に伴い、就職活動での遅れが出たことや、企業での業績悪化などから採用の縮小や中止が背景にあり、前年同期を下回ったものとみられている。理系の内定率は92.6%まで上昇したものの、一方の文系の内定率は前年同期比11.1%減となり、大きな落ち込みがみられた。

景気基調判断は12ヵ月連続の悪化に
内閣府は7月の景気動向指数(2015年=100)は、景気の現状を示す一致指数は前月比1.8ポイント上昇の76.2となったと発表した。2カ月連続で改善したものの、過去3カ月間の傾向などを踏まえて判定する基調判断は、景気後退の可能性が高いとする「悪化」に据え置いた。基調判断の「悪化」は12ヵ月連続で、リーマン・ショック前後の2008年6月から2009年の4月までの11カ月を超えたことになる。また、内閣府が発表した9月の地域経済動向で、北海道から沖縄までの全12地域の景況判断を前回の5月調査から引き下げた。

8月のサンマ漁獲量、過去最低に
漁業サービスセンターのまとめによると、8月から始まった秋のサンマ漁の漁獲量は8月末までで約166トンにとどまったことが分かった。過去最低となった前年同月の約911トンの18%にとどまり、大幅に過去最低を更新するものとなった。同センターでは「サンマが少ないことに加え、遠い公海が漁場になっており、操業効率が悪くなっている」と指摘したうえで、「今後もしばらくはこの状況が続く」とみている。また、水産庁も「12月までの漁期を通じて来遊量は昨年を下回り、極めて低調に推移する」とみている。

7月の消費支出、マイナス幅が拡大
総務省の7月の2人以上世帯の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は26万6897円だったことが分かった。前年同月比7.6%減となり、6月の1.2%減からさらに拡大していることが明らかになった。背景には、新型コロナウイルス感染拡大で外出を自粛する動きが続いたとみられる。マイナスは10カ月連続となる。5月に緊急事態宣言が全面解除されたものの、感染者の増加を背景に、旅行をはじめ、娯楽施設の入場料で支出が低迷したとしている。

コロナで母子家庭の食生活に変化
NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」がシングルマザーを対象にした調査で、新型コロナによる母子家庭の食生活の変化を尋ねたところ(複数回答)、54%の家庭で「インスタント食品が増えた」と答えていることが分かった。次いで、「炭水化物だけの食事が増えた」(49.9%)、「お菓子屋おやつを食事の代わりにすることが増えた」(20.1%)、「1日の食事回数が減った」(18.2%)、「1回の食事量が減った」(14.8%)が挙げられた。

コロナでCO2排出は前年比4~7%減
国連の報告書によると、今年の世界全体の二酸化炭素(CO2)排出量は前年比4~7%減少する見通しにあることが明らかになった。新型コロナウイルス感染症拡大により世界的な社会・経済活動の制限が背景にある。しかし、国連では大気中のCO2濃度の上昇抑制には「わずかな影響でしかない」として、改めて温室効果ガス削減に向けた取組みの必要性を訴えている。また、報告書では2016~20年の5年間の世界平均気温は産業革命前の平均から1.1度上昇し、過去最高となる見通しを示している。

3割が外出自粛期間中に家庭菜園を開始
タキイ種苗が全国の20歳以上の男女を対象にした意識調査によると、家庭菜園を行っている人のうち、29.6%の人が新型コロナウイルス感染拡大での外出自粛期間以降に始めたことが分かった。家庭菜園の経験のある人に始めた理由を尋ねたところ(複数回答)、「趣味として楽しむため」が最多の56.0%で、「新鮮な野菜を食べるため」(43.7%)、「家計の節約のため」(29.0%)、「庭の有効活用のため」(22.0%)が続いた。

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