2020年03月17日号
世界保健機関(WHO)は3月11日、新型コロナウィルスは「パンデミックス(世界的流行)と見なせる」との見解を表明した。WHOの発表では、感染者数は118カ国・地域で12万5千人に上り、「今後、数日、数週間で感染者と死者、感染者数出る国の数は一段と増えるだろう」と警告を発した。感染の拡大は、経済や広範な社会活動に深刻な影響を及ぼす脅威となってきている。
財務省が発表した貿易統計で、2月上・中旬の輸入額は前年比16.6%減の3兆6714億円だったことが明らかになった。新型コロナウィルスの感染拡大により、中国全土で経済活動が停滞したため、日本の貿易相手国である中国からの輸入が激減したことが響いている。中国は日本の輸入額の2割弱を占め、輸入では1位の最大の輸入相手国であり、ウィルス感染拡大が貿易を阻害した構図となっている。
3月13日の東京株式市場での日経平均株価の下げ幅が一時1869円03銭に達し、バブル経済末期の1990年4月以来、約30年ぶりの下落幅となった。3月9日に2万円を割り込み、3月13日の終値は1万7431円05銭となった。新型コロナウィルス感染小拡大による経済危機への懸念が広がりから、投資家の売り注文が加速したことが背景にある。平均株価の直近1週間で下げ幅は3300円を超えて過去最大となった。また、感染不安が株式市場で強まる直前の1月20日と比べ、東証1部全体の時価総額は約179兆円減少した。
警察庁のまとめによると、2019年の運転免許証の自主返納件数は過去最多の60万1022件だったことが明らかになった。前年より17万9832件増えた背景には、高齢運転者による重大事故が相次いだことが挙げられており、返納者全体の58.3%を75歳以上の運転者が占めている。政府は返納以外の交通事故防止対策の選択肢として、安全運転サポート車を条件とする限定免許の導入を図るため、道交法改正案を今通常国会に提出している。
内閣府の発表によると、2019年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値は、実質で前期比1.8%減となり、年率換算にすると7.1%減となることが分かった。速報値で発表された年率6.3%から下方修正された背景には、企業の設備投資が落ち込んだことが挙げられている。今後の見通しについて、民間シンクタンク主要7社は新型コロナウィルス感染症の拡大が影響して、2020年1~3月期も2四半期連続でマイナス成長になるとの見通しを示しており、日本経済に閉塞感が広がっている。
警察庁のまとめによると、全国の警察が昨年1年間に受理したドメスティック・バイオレンス(DV)の被害相談や通報は8万2207件だったことが分かった。16年連続での増加で、過去最多を更新している。また、摘発件数も、2001年に配偶者暴力防止・被害者保護法(DV防止法)施行以来、最多の9161件に上った。被害者は、女性が78.3%で、被害者との関係別では婚姻関係(元を含む)が75.6%、同居の恋人(16.9%)、内縁関係(7.5%)が続いた。
日本高野連は3月19日から開催予定の第92回選抜高校野球大会について、新型コロナウィルスの感染拡大に対応するため開催を中止すると発表した。当初、無観客での開催対応を予定していたが、「出場選手の健康、安全が最優先される」との立場から開催中止に至った。春の選抜大会は、太平洋戦争の影響があった1942~46年に中断したが、予定していた大会が中止されるのは初めてとなる。政府は、スポーツイベントなどの自粛や規模縮小を要請しており、プロ野球は開幕を延期、サッカーJリーグは公式戦の再開を延期するなどしている。
観光新聞社による「にっぽんの温泉100選」で、草津温泉(群馬)が17年連続で1位に選ばれた。旅行会社などが選ぶもので、泉質の良さが高く評価された。2位には様々な泉質と雰囲気が楽しめることで知られる別府八湯(大分)が選ばれ、3位には「砂むし温泉」の指宿が昨年より順位を1つ上げてランクインした。3位以下の温泉は次の通りとなっている。4位・有馬温泉(兵庫)、5位・道後温泉(愛媛)、6位・下呂温泉(岐阜)、7位・登別温泉(北海道)、8位・湯布院温泉(大分)、9位・箱根温泉(神奈川)、10位・城崎温泉(兵庫)。
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