社会・経済ニュースバックナンバー

2018年12月25日号

来年度予算総額が初の100兆円突破
政府は12月21日に2019年度一般会計総額が101兆4564億円となる予算案を閣議決定した。初めて100兆円を超えたことになる。歳入は税収が62兆4950億円となり、これまで最大だった1990年決算を29年ぶりに上回る。国債発行額は32兆6598億円で国債依存度は前年度を2%下回るものの、依然3割を超えており、借金頼みの予算編成となっている。歳出では社会保障費などの政策経費が77兆9483億円となっており、税収で賄うことができない実態にある。

消費増税での実質負担増は2兆円
政府は経済財政諮問会議で、2019年10月の消費増税による実質的負担増は2兆円程度となる試算結果を公表した。試算で、消費税率を一律に10%に引き上げた場合の税負担は5.7兆円増えることに加え、昨年決定したたばこ増税や所得税増税を加えた負担増総額は6.3兆円となる。これに対し、飲食料品などの軽減税率導入で1.1兆円の負担軽減となり、さらに消費税収のうち教育無償化などの施策で3.2兆円の負担が軽減され、実質約2兆円の負担増となるとしている。

使い捨てプラ、EU加盟国で禁止を合意
欧州連合(EU)欧州議会と加盟国は、2021年から使い捨てプラスチック食器や発泡スチロールの容器を禁止する新規則策定で基本合意した。2029年までにペットボトルを90%回収することも合意に盛り込まれている。2021年からの禁止規則の施行によって欧州海岸を汚すごみが70%減ると推計されている。また、合意では、包装などの回収・処理費用を製造者に負担させることでも合意している。

厚労省、10連休中の医療態勢を調査へ
厚生労働省は、来年の新天皇即位に伴い、4月27日~5月6日までの10日間が連休となることを受けて、都道府県を通じ10連休期間中の医療提供に関する調査を行うこととした。同省では「過去に例のない連休の長さで、国民がきちんとした医療を受けられるよう万全を期す必要があると判断した」と調査の動機を示している。同省では来年3月までに外来や救急医療の受け入れ態勢を把握し、都道府県から国民に周知するよう求めていく考えである。

出生数、過去最少の92万1千人
厚生労働省は人口動態統計の年間推計で2018年に国内で生まれた子どもは92万1千人となる見通しになると発表した。3年連続で100万人を割り込むとともに、これまで最少だった2017年よりも2万5千人少なく、過去最少を更新したことになる。他方、亡くなった人は戦後最多となる136万9千人となる見通しで、死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は過去最大となる44万8千人となるとみられる。

ゆうちょ銀行貯金限度額、2600万円に
政府はゆうちょ銀行の貯金限度額について、郵政民営化法に基づく政令を改正し、来年度から現行の1300万円から倍額の2600万円に引き上げる方針を固めた。現行の政令で「民業圧迫」を防ぐ上から限度額が定められているが、政府の郵政民営化委員会で「利用者の利便性向上」を理由に限度額の引き上げについて検討されてきており、郵便局以外に金融機関の無い過疎地での利便性が高まるとしている。

オーストラリア、LNG最大輸出国に
ロイター通信によると、11月のオーストラリアの液化天然ガス(LNG)輸出量は650万トンとなり、620万トンのカタールを抜き、世界最大のLNG輸出国となったことが分かった。背景には、国際石油開発帝石(INPEX)が事業主体となった「イクシスLNGプロジェクト」の生産が本格化したことが挙げられている。2018年通年でのLNG輸出量は7800万トンとなり、カタールの7700万トンを上回る見通しにある。オーストラリア政府はLNG輸出による2019年収入は480億豪ドル(約3兆9千億円)になると予測している。

30~50代、認知症への備えは1割止まり
SOMPOホールディングスが全国の30~50代の男女を対象にした調査で、「親や自分が認知症になった時の費用の準備している」人は1割にとどまることが分かった。親が認知症になった時の費用の有無を尋ねたところ、「準備している」は10.1%で、自分が認知症になった時の費用について「準備している」は11.7%だった。しかし一方では、親の認知症への備えで「必要だが準備していない」(50.9%)、自分の認知症の備えで「必要だが準備していない」(40.9%)と必要性を認めながらも、準備していない向きが半数を占めていた。

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