2018年12月11日号
財務省が発表した2018年7~9月期の法人企業統計によると、全産業の設備投資が前年同期比4.5%増の11兆2784億円となったことが分かった。設備投資は堅調な企業活動を反映し、8四半期連続で増加した。自動車向け素材や建設機械の生産力を増強するための投資が伸び、さらに非製造業でも不動産会社による都市部でのオフィスビルの開発など同4.2%増加した。また、経常利益は同2.2%増の18兆2847億円となり、9四半期連続での増加となった。
政府の有識者会議が年内にまとめる人工知能(AI)活用に関する基本原則の素案で、「7つの原則」を提示した。盛り込まれた「AIの基本原則案」は、①人間中心の原則、②教育・リテラシーの原則、③プライバシー確保の原則、④安全性確保の原則、⑤公正競争確保の原則、⑥公平性・説明責任・透明性確保の原則、⑦イノベーションの原則、で構成されている。とくに、AIは人々の自由拡大や多様な幸せのために使われるものであり、AIの提案は人が判断するとした「人間中心の原則」が柱となっている。
参院本会議で12月8日、改正出入国管理法が成立した。
深刻な人手不足の解消を図るため、単純労働を含む分野でも外国人労働者を受け入れることに大きく舵を切ったもので、政府は来年4月からの制度導入を図るとしている。新たに設けられた在留資格は「1号と2号」に分類され、1号は在留期間が最長5年で家族は帯同できないが、2号では更新を続けることで長期滞在が可能となるだけでなく、家族も帯同できるとしている。政府は年内に、制度に関する政省令をまとめるとしている。
世界保健機機関(WHO)が発表した「世界の交通安全に関する現状報告」によると、年間135万人が交通事故死していることが分かった。24秒に1人が交通事故で亡くなっている実態にあり、とくに5~29歳の子ども・若者世代の死因の第1位となっている。また、報告書では、低所得国で交通事故死者数が減少した国は皆無で、高所得国よりも死亡リスクは3倍に達していると指摘した。WHO事務局長は、「交通の代価として容認できない犠牲だ」としたうえで、国際社会に行動起すよう求めた。
中国税関総署は11月の貿易統計で対米貿易黒字額は前年同月比28%増の356億ドル(約4兆円)になったと発表した。貿易黒字額は過去最大となったには、米側が課す関税率引き上げ前に仕入れを加速しておきたいとする米企業での駆け込み需要が続いたとみられるとともに、米国からの輸入は同25%減と大きく落ち込んだことが指摘されている。トランプ米政権が不満を表すことは必至で、米中貿易摩擦問題の再燃の火種ともなりそうだ。
エン・ジャパンが従業員50人以上の企業を対象に、今年4月に法定雇用率が2%から2.2%に引き上げられた障害者の雇用状況を調査したところ、達成している企業は39%にとどまり、未達成が61%に上ることが分かった。同社では、「中小では大手と比べ受け入れ態勢に余裕がなく、障害者に適した業務がないことや社員の理解不足がある」と指摘している。また、企業からの自由回答で「未達成企業には罰金を科すのに、中央省庁は雇用を水増し、自ら違反した場合はどうなるのか」との厳しい声もあった。
政府、与党がまとめた「ふるさと納税制度」の見直し案によると、「調達費が寄付額の30%以下の地場産品」という基準を順守した自治体を総務省が指定対象とすることが分かった。過度な返礼品の規制が目的で、指定されなかった自治体への寄付については、来年6月1日から税優遇を受けられないことになる。2019年度税制大綱に盛り込まれる方針で、来年の通常国会に地方税法改正案として提出される。調達費が30%以下という総務省の基準を順守していない自治体は11月時点で91自治体あるが、順次、基準に適合するよう見直すことになりそうだ。
JTBは年末年始(12月23日~1月3日出発)の国内と国外を合わせた総旅行者数は前年同期比1.2%増の3062万8千人になるとの見通しを発表した。過去最高の見通しとなるもので、背景には冬のボーナスが増えることに加え、日の並びから長い休みが取りやすいことを挙げている。海外旅行者数は同4.3%増の73万4千人で、韓国や香港といったアジアや欧州が前年を上回っている。国内旅行者数は同1.1%増の2988万4千人で、沖縄や東京ディズニーリゾートが人気を集めている。
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