社会・経済ニュースバックナンバー

2018年09月04日号

企業の内部留保、過去最高の446兆円に
財務省が公表した「平成29年度法人企業統計」によると、企業が蓄えた内部留保となる利益剰余金は前年度比40兆2496億円増の446兆4844億円となり、5年連続で過去最高を更新していることが分かった。全産業(金融・保険業を除く)の経常利益は同11.4%増の83兆5543億円、設備投資が同5.8%増の45兆4475億円で、いずれも過去最高となった。景気回復を背景に設備投資の意欲が増している一方で、内部留保も積み上がってきている。

小売業販売額、9カ月連続で増加
経済産業省の7月の商業動態統計速報によると、小売業販売額は前年比1.5%増の12兆4140億円となり、9カ月連続で増加を記録したことが分かった。原油高で石油製品の価格が上昇したことに加え、酷暑によりエアコンの販売が増加するとともに、野菜の高騰、飲料需要の増加、さらにはUV化粧品の販売増が背景にある。前年比で増加が目立った業種は、燃料小売業、飲食食料品小売業、医薬品・化粧品小売業、自動車小売業などだった。

来年度予算の概算要求額、100兆円超え
財務省が各省庁から寄せられた2019年度予算の概算要求総額は過去最大となる102兆円台後半に膨らんだことが明らかになった。概算要求総額が100兆円を超えるのは5年連続となった。高齢化で膨らみ続ける社会保障費(32兆円超)と、地上配備型迎撃ミサイルシステム導入を計画する防衛費は過去最高額となった。来年度当初予算で初めて100兆円を超える可能性が現実味を帯びてきている。

地方への移住と起業で最大300万円助成
政府は人口の東京一極集中是正と人手不足に対応するため、地方創生推進交付金を活用し、首都圏1都3県から地方へUIJターンして就職、起業する人へ1人当たり最大300万円を支給する方針を固め、2019年度予算概算要求に計上するとしている。また、人手不足への対応策では地方で一定期間の間、職に就いていなかった高齢者や女性が就労、起業する場合も最大100万円を補助するとしている。政府は2024年度までの6年間に、地方移住で就職・起業する人や地方出新規就労する高齢者・女性を計30万人増やすとしている。

社会保障給付費116兆円で最高を更新
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2016年度の医療や介護・年金などの公的サービスに充てる社会保障給付費は総額で116兆9027億円となり、過去最高を更新したことが分かった。社会保障給付は税金や保険料で賄われて、利用者の自己負担は含まれておらず、1人当たりの給付額は前年度から1万3千円増の92万1千円となった。内訳をみると、年金が54兆3770億円で最も多く、全体の46.5%と半分近くを占めた。次いで、医療が38兆3965億円、介護や子育て支援などの福祉その他が24兆1291億円だった。

労働時間長い女性は糖尿病リスクが高い
カナダの研究グループは、労働時間の長い女性は糖尿病リスクが高いと発表した。35~74歳の働く女性を12年間追跡調査した研究によるもので、長時間労働と糖尿病の発症との関連を調べた。週45時間以上の労働時間は週35時間~40時間の女性と比較して、糖尿病のリスクは1.63倍高かった。男性では長時間労働と糖尿病との因果関係は見られなかった。研究グループは「労働時間を変えることは可能であり、糖尿病の予防策を講じる上では重要だ」と指摘している。

EU、8割以上が夏時間制に反対
欧州連合(EU)の欧州委員会が7~8月に掛けて夏時間制に関するインターネット調査で、史上最多となる460万の意見が寄せられ、全体の84%が夏時間制に反対する意向を示した。体調に悪影響を及ぼすとの意見が多く目立った。これをもとに、欧州委員会は加盟国と欧州議会に対し、夏時間制の廃止を提案する考えを示した。EUは1970年代の石油危機に際して、エネルギー節約の観点から、夏を中心に時計の針を1時間進めて夜の明るい時間を増やす政策を導入し、2001年に法制化されてきていた。

家の将来を子どもと話したい親世帯は7割
住宅会社の旭化成ホームズが行った「実家に関する親と子の意識調査」によると、親世帯の71.2%が「家の将来を子どもと話したい」と答えていることが分かった。一方、子世帯も63.2%が「実家について親や兄弟と話したい」と望んでおり、双方とも「実家の将来」についての話し合いを望む姿勢がみられた。しかし、実際に「家の将来を話した」との答えは42.5%にとどまっており、同社では「正面から話しにくいテーマと言えそうだ」と指摘している。

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