社会・経済ニュースバックナンバー

2018年01月30日号

基礎的財政収支の黒字、2年ずれ込む
政府が経済財政諮問会議に示した試算によると、国と地方の基礎的財政収の赤字解消が当初2025年度としてきたが、2027年度にずれ込むことが明らかになった。政府が打ち出した教育無償化で年1兆7千億円を投じることで財政が悪化することが大きな要因で、2020年度でも10兆8千億円の基礎的財政収支は赤字となる。今回の試算では、実質GDP成長率を2020年度に1.5%、名目GDPを2021年度に600兆円と見込んでいる。

外国人労働者数、過去最多の128万人
厚生労働省のまとめによると、2017年10月時点での外国人労働者数は127万8670万人となり、過去最多を更新したことが分かった。国別にみると、中国が最も多い約37万人で全体の3割近くを占め、ベトナム(約24万人)、フィリピン(約15万人)が続いた。背景には、人で不足に悩む企業が外国人労働者の雇用に積極的であることが挙げられている。外国人雇用の企業は約20万事業所で、従業員が30人未満の小規模事業所が全体の58%を占めている。

10年後の国債残高は試算で1045兆円に
財務省の試算によると、国の借金である国債の発行残高は2027年度末時点で1045兆5600億円になると発表した。その増加主因は社会保障費の増加によるもので、2018年度末時点の876兆9300億円から今後10年で200兆円程度増加することになる。2025年度末には1千兆円を突破するものとみられる。昨年末時点での、国債に借入金や政府短期証券を加えた借金総額は1080兆4405億円で、国内総生産(GDP)比で230%台となり世界で最も高い水準にある。

世界の上位1%裕福者が82%の「富」を
国際非政府組織(NGO)オックスファムが発表した報告書によると、世界の上位1%の裕福な人が1年間に生み出された「富」の82%を独占したことが分かった。2017年6月末までの1年間に、1%の裕福者が増やした資産額は7620億ドル(約84兆4千億円)だった。同NGOは、この額は1日1.9ドル未満で暮らす絶対貧困の状態から全ての人を救うために必要な額の7倍にあたると指摘したうえで、各国政府や企業経営者に対して格差是正を強く促している。

2年連続の貿易黒字、中国向け輸出最高
財務省が発表した2017年貿易統計によると、貿易収支は2兆9910億円の黒字となり、黒字は2年連続となったことが分かった。輸出額は前年比11.8%増の78兆2897億円、輸入額は同14.0%増の75兆2986億円で、輸出・入いずれも前年を上回った。とくに、中国向け輸出額は統計がある1979年以降で最高となった。また、国・地域別の収支で見ると、対米国との貿易収支の黒字額は最大の7兆356億円となり、米国第一主義を唱えるトランプ政権からの輸入拡大要求が高まる懸念がある。

花粉症、高齢ほど「軽症」傾向に
ロート製薬が20~79歳を対象に行なった花粉症に関する症状に関する調査で、「軽症」と回答した人は、20代で30.1%、40代で39.3%、60代以上で61.1%だと、高齢になるほど「軽症」となる傾向がみられた。また、花粉症になった0~16歳の子どもを持つ保護者を対象にした調査で、鼻の奥に炎症が拡がる副鼻腔炎と診断された子どもは36.2%で、診断はされてはいないものの、副鼻腔炎の症状が出た子どもを加えると56.4%と半数を超え、20~79歳の45.0%を上回った。

コンビニ売上高、過去最高を更新
日本フランチャイズチェーン協会の発表によると、2017年の主要コンビニ8社の全店売上高は前年比1.8%増の10兆6975億円となり、過去最高を更新したことが分かった。新規出店の増加とともに、弁当や総菜などの「中食商品」の売り上げが好調で、1人当たりの1回購入額が増加したことが寄与したとみられる。また、店舗数は3.2%増の5万5322店となった。他方、既存店だけの売上高で見ると、スーパーやドラッグストアなどとの競争が激化していることを背景に、0.3%減少した。

インフル患者数、過去最多の283万人
厚生労働省が全国5千の定点医療機関から1月21日までの1週間に報告されたインフルエンザ患者数は約283万人に上ることが分かった。1999年以降で過去最多となり、1医療機関当たりの患者数は51.93人となった。都道府県ごとに見ると、鹿児島県が1医療機関当たり86.53人と最も多く、宮崎県(84.97人)、福岡県(83.99人)、大分県(82.40人)が続き、九州地域での拡がりがみられた。今季は製造対応の問題でワクチン不足が起きたが流行との因果関係は不明だとしている。

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