2017年07月18日号
内閣府は2018年度の国内総生産(GDP)成長率を前年度比1.4%となるとの試算をまとめた。試算では、所得環境の改善により個人消費の緩やかに回復軌道が続くとみている。民間エコノミストによる実質GDP予測の平均値は1.1%となっており、強含みの感があると指摘されているとともに、政府が掲げている名目GDP600兆円の達成のために必要な「2%成長」には届いていないとの指摘も出ている。
日本の会計検査院に相当する中国審計署が主要20社の国有企業を調査したところ、18社で不正な売上計上していることが明らかになった。売上高の水増しは過去数年で2001億元(約3兆4千億円)に上っている。これまで中国審計署は「財務報告に間違いがあった」としてきたが、今回の発表では「故意による不正だった」と厳しく断定し、異例の公表を行った。背景には、反腐敗への徹底した改革姿勢がある。
総務省は2016年度の自治体決算見込みで、地方税収は前年度比800億円減の40兆3246億円になると発表した。7年ぶりにマイナスに転じた背景には、消費税の自治体に配分される地方消費税が2700億円減少したことに加え、都市と地方との税収格差を是正するための地方法人特別剰余税が3300億円減少したことがある。法人2税(自由民税・事業税)は3200億円増となっている。地方税収の落ち込みは自治体にとって厳しい財政運営が迫られるとの指摘がある。
連合が20~65歳の働き手1千人を対象にしたアンケート調査で、会社が残業を命じる際に労基法36条で定められている労使協定(36協定)を締結する必要があることについて、「知っている」と答えた人は56.5%で、「知らない」は43.5%に上ることが分かった。年代別にみると、30~50代の6割弱と60代の7割強が「知っている」としたのに対し、20代は49.2%と他の世代よりも低い結果となっており、連合では「若い世代に協定の重要性を知られるように働き掛けたい」としている。
国連専門機関の国際電気通信連合(ITU)が加盟193カ国のサイバーセキュリティ対策状況を調査した結果、日本は12位になったことが明らかになった。ITUがサイバー対策を「法整備」「技術体制」「組織対応力」「教育・訓練体制」「協力体制」の5分野で評価して総合点を順位付けしたもので、1位にはシンガポール、2位に米国、3位にマレーシアを上位に評価した。ITUはサイバーセキュリティ対策には国家戦略などの政府の関与が不可欠だと指摘している。
総務省の2016年家計調査で、2人以上世帯の世帯主の小遣い全国平均月額は8万4568円だったことが分かった。統計が残る最も古い1994年の23万6616円に対し、約1/3まで減っている。県庁所在地別にみると、トップは高松の13万983円で、津(11万9780円)、鹿児島(11万1268円)が続いた。逆に、最も低かったのは、松江の3万6957円で、那覇(4万7594円)、鳥取(5万3068円)で、最高と最低の格差は3.8倍となっている。
ビール大手5社の発表を集計した1~6月のビール出荷量(発泡酒含む)は前年同期比1.3%減の1億9025万ケースだった。5年連続で1~6月期の過去最低を更新した。背景には、酒の嗜好がワインや酎ハイなどに多様化したことに加え、6月からの安売り規制強化によるビール類の値上げが響いたとみられる。ビールのシェアでは、アサヒビールが8年連続で首位となる39.5%で、キリン(31.7%)、サントリー(15.9%)、サッポロ(11.9%)、オリオン(0.9%)が続いた。
国立がん研究センターとNECは大腸の内視鏡検査中にがんやがんの前段階のポリープを自動検知して医師に伝えて診断をサポートする人工知能(AI)システムを開発し、臨床試験を重ね2年後に実用化したいと発表した。仕組みは、内視鏡での画像に異常があるとAIが判定すると、警告音とともに医師に知らせるもの。これまでディープラーニング(深層学習)手法でAIに学習させ、異常のある部位の98%が発見できたとしている。大腸がんによる死亡の減少に役立つとして期待を集めており、AIが医療分野での本格稼働の時代を迎えたともいえる。
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