2017年04月18日号
国際通貨基金(IMF)は世界経済の回復足取りはしっかりしているとの見解を示す一方で、貿易低迷を招く要因として保護主義の台頭と欧州での政治の不透明感を挙げ、世界経済に下方リスクがあると警告を発した。また、国際金融市場が一段と緊迫すれば、新興国や途上国から急激に資本が流出する可能性があると指摘した。さらに、世界経済が安定した成長を遂げるために必要な政策として、インフラや研究開発への投資促進を提唱した。
総務省は国勢調査をもとに毎月の人口移動を加味した2016年10月1日時点での人口推計での総人口が1億2693万人になったと発表した。ピークだった2008年から約110万人減少しており、減少は6年連続となる。死亡者数から出生者数を差し引いた自然減は統計開始の1950年以降で最多の29万6千人となり、今後も高齢者の増加と出生数の減少傾向を背景に自然減の拡大は続くとみられる。
世界貿易機関(WTO)は、2016年のモノに限った貿易総額(輸出入合計額)の首位は3兆7060億ドル(約406兆円)の米国だったと発表した。これまで4年間首位だった中国は3兆6850億ドルで2位となり、首位を米国に明け渡した。また、中国をはじめとする新興国の経済減速から2016年の貿易の伸び率は1.3%で、7年ぶりの低い水準となった。日本は1兆2520億ドルで前年と同じ世界4位だった。
日本クレジット協会の発表によると、2016年のクレジットカードの利用金額は前年比8.2%増の53兆9265億円となり、初めて50兆円を超えたことが明らかになった。利用金額の拡大の背景には、利用が拡がるネット通販の利用に加え、税金や医療費支払などのカード支払となる利用対象が広がったことがあり、今後も利用範囲の拡大が見込まれ、一段とカード支払額は増えるとみられる。
世界経済フォーラムが発表した2017年版観光競争力ランキング報告書によると、日本は前年の9位から過去最高となる4位に引き上げられた。首位はスペイン、2位フランス、3位ドイツと欧州勢が続き、日本はアジア太平洋地域で最上位となっている。同フォーラムでは「日本は優れた文化遺産目当ての観光客が世界中から訪れている」と評価するとともに、日本の交通インフラの至便さを評価した。他方、環境保全に一層の努力が求められると指摘した。また、同報告書では、世界の旅行者数は12億人に達し、1950年代の480倍にまで増加したと伝えている。
総務省が20~64歳を対象にした調査で、20~30代の男女の42%が農村や漁村への移住の希望を持っていることが分かった。同省では「若者が田舎暮らしを再評価する動きが拡がっている」とみている。20~30代の若い世代は農漁村への移住を希望する理由として、「豊かな自然に恵まれた良好な環境の中で子どもを育てたい」「安くて新鮮で安心・安全な食料が手に入るから」を他の世代よりも多く挙げた。
経済協力開発機構(OECD)は対日経済審査報告書で、日本の経済成長を図るためには、長時間労働の文化を変革し、ワークライフバランスを改善することが必須であると提言した。報告書は労働力減少が日本経済の主要課題の一つであり、長時間労働によって家庭のある女性の労働参加が妨げられ、女性就労促進のために、サービス残業の削減や残業時間の上限設定が必要だとしている。また、同報告書では、膨らむ借金財政を健全化させるために消費税率の段階的引き上げを求めている。
農林水産省の調査によると、2016年にふるさと納税の返礼品として寄付者へ贈られたコメの量が前年比1.8倍の約2万700トンに上ることが分かった。コメを返礼品として贈る自治体は同37%増加の1001にも上っており、新品種開発を続けている自治体が地域のブランド米の消費拡大につなげる狙いが伺える。同省では、「特産品とコメをセットで贈呈するケースが多く、数量を伸ばしている」と指摘している。コメを返礼する都道府県別の量では、山形の1万58トンが突出して多く、岡山の2658トン、北海道の1866トンが続いた。
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