社会・経済ニュースバックナンバー

2016年10月04日号

8年ぶりに石油生産量の減産で合意
石油輸出国機構(OPEC)は8年ぶりに原油生産量を減らすことでの合意し、生産量を現在の推定3324万バレルから日量3250万~3300万バレル近辺に削減する計画をまとめた。これを受け、原油先物相場は5%超上昇した。これまでサウジアラビアは主要産油国の足並みが揃えるまで減産はしないとしてきたが、原油価格の低迷から、一転して方針転換した。ロシアなどのOPEC非加盟国に対しても協調して減産することを呼び掛けている。

民間給与、3年連続で増加に
国税庁の民間給与実態統計調査によると、民間企業に勤務する会社員やパート等が2015年の1年間に受け取った平均給与は、前年比5万4千円増の420万4千円となり、3年連続で増加していることが分かった。男女別にみると、男性は前年比6万1千円増の520万5千円、女性が同3万8千円増の276万円だった。雇用形態別にみると、正規従業員は同7万2千円増の484万9千円、非正規は同8千円増の170万5千円だった。

医療費、最高更新の40.8兆円に
厚生労働省が発表した2014年度の国民医療費は前年度比7461億円増の40兆8071億円に上ることが明らかになった。国民医療費は病気やけがでの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額で、8年連続で過去最高を更新している背景には、高齢化の進展と医療技術の進歩で治療費が膨らんでいることが挙げられている。国民1人当たりの医療費は32万1100円だった。65歳以上の医療費は23兆9066億円で、医療費全体に占める割合は58.6%に上り、過去最大となっている。

膵臓がん患者の4割超が転移後に発見
国立がん研究センターの集計によると、2014年に受診した約67万人分のデータを分析したところ、膵臓がんの患者の43%が発見時には他の臓器に転移するなどのステージが最も高い進行度4期だったことが分かった。膵臓がんは病状が表れにくく、早期発見が難しいとされている。病状ステージが進んだ患者に対するがん除去の手術が難しく、抗がん剤だけの治療となった人が多かった。同センターでは「膵臓がんには確立した検診法がなく、早期発見のための研究が急がれる」としている。

「在宅死」は横ばいで推移
厚生労働省の2015年人口動態統計によると、全死亡者数のうち、自宅で亡くなった「在宅死」は前年比0.1ポイント減少の12.7%だった。病院や診療所で亡くなった人は76.6%、老人ホームなどの施設で亡くなった人は8.6%となっている。政府では住み慣れた場所で最後まで暮らせるよう在宅医療を進めているが、自宅でのみとりは広がっていないことを浮き彫りにした。在宅死は1950年頃には約8割を占めていたが、1970年代半ばには病院・診療所が逆転し、以後、減少してきている。

友人が多い高齢者は健康な歯も多く
東北大学などの研究チームが2万人の65歳以上の高齢者を対象に、よく会う友人について「幼なじみ」「仕事の同僚」「近所の人」などの友人の種類の豊富さと現在残っている「歯の本数」の関連を調べたところ、友人の種類が豊富な高齢者ほど、健康な歯が多かった。歯が20本以上残っている人の割合は、友人がいない人で25%だったのに対し、友人が3種類以上の人では40%を超えていた。研究チームは「異なる背景の人とつながっている人ほど健康情報を多く得られるためではないか」とみており、「歯の健康を考えれば友人は3種類以上いるといい」としている。

任意後見制度の利用、1万件を突破
日本公証人連合会のまとめによると、認知症などで判断能力が衰える前に、家族・友人や弁護士と契約を結んで将来の財産管理を依頼しておく「任意後見制度」の利用が2015年に10,774件となり、初めて1万件を超えたことが分かった。成年後見制度には、家庭裁判所が後見人を選任する法定後見と、将来に備え信頼できる家族や友人に依頼して契約を結んでおく任意後見とがある。高齢化の進展で、老後の安心への関心が高まっていることを浮き彫りにしている。

メール等で絵文字使用が半数超に
文化庁の2015年度国語に関する世論調査で、今回初めて行ったメールや会員制交流サイトなど情報化時代のコミュニケーション表現を対象とした調査によると、喜怒哀楽を絵で表す絵文字を「使うことがある」とした人は56.1%に上ることが分かった。絵文字使用を年代別に見ると、30代が86.5%で、10~20代や40代も70%を超えていた。同庁では、「顔を見るコミュニケーションと異なり、携帯電話といった情報機器を使うやり取りでは、絵文字などで表情を大体しているのではないか」とみている。

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