2016年08月09日号
公表された2016年度経済財政白書で、個人消費と企業の設備投資の増加には「十分につながっていない」と指摘したうえで、働く人の待遇改善や規制緩和などの構造改革が必要だと提唱している。とくに、消費は39歳以下の子育て世代と60歳代前半の無職世帯が弱くなっており、背景に高い非正規社員の割合や定年退職による所得減少があり、労働者の待遇格差の改善と高齢者の様々な働き方ができるようにすることが重要だとしている。
天皇陛下の生前退位について、85.7%が「できるようにした方がよい」と容認していることが共同通信の緊急電話調査の結果で分かった。天皇陛下の生前退位については現行の皇室典範には規程がないが、今回の調査では「生前退位をできるようにした方がよい」と答えた人は、いずれの世代でも80%以上を占めるとともに、男女別でも大きな差はなかった。また、「82歳の陛下の公務が多いと思うか」の問いでは、89.5%が多いと認識していた。
厚生労働省は厚生年金と国民年金の2015年度決算(時価ベース)は3兆2458億円の赤字となったと公表した。5年ぶりの赤字で、過去3番目の規模となった。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の5兆3千億円の運用損が影響した。厚生年金は2兆7448億円の赤字、国民年金は役5009億円の赤字となった。それぞれの年金保険料収入のうち、給付に回されなかった合計約2.4兆円はGPIFの積立金に繰り入れられた。
日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、今春、4年生私立大学の44.5%が定員割れしたことが分かった。全国の586校のうち577校が回答したもので、定員割れは257校となり、逆に定員以上の入学者があった私立大は320校となっている。充足率を地域別にみると、東京の109.0%が最も高く、大阪の106.5%、京都の105.4%が続き、逆に、四国(88.5%)、東北(88.6%)は低かった。
国土交通省は2017年度中に全国の自治体が空き家情報をインターネットで紹介している「空き家バンク」を一括して閲覧できるHPサイトを開設する方針を固めた。地方を中心に増え続ける空き家解消が狙いで、空き家購入者のニーズに沿った物件を探しやすくするため、「海の近く」「農地付きの家」などのキーワード検索ができるようにするとともに、民間の不動産情報サイトとの連携も検討するとしている。
厚生労働省のまとめによると、2015年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は前年度比16%増の10万3260件に上り、集計開始の1990年度以降で初めて10万件を突破したことが分かった。児童虐待は、この10年間で3倍に急増しており、同省では増加の要因として、子どもの前で配偶者らに暴力をふるう「面前DV」に関し、心理的虐待と捉えて警察に通報する事案が増えたものと指摘している。内容別にみると、暴言や面前DVによる「心理的虐待」(47.2%)が最も多く、「身体的虐待」(27.7%)、「育児放棄」(23.7%)が続いた。
厚生労働省の「外国人の介護人材の受け入れに関する検討会」は、2017年4月から東南アジア3カ国(ベトナム・フィリピン・インドネシア)の介護福祉士による訪問介護を解禁することを決定した。今後、施設勤務だけにととまらず、高齢者の自宅でトイレや食事間介助などが可能となる。高齢者との円滑なコミュニケーションができるかどうかが懸念されているが、今後、同省で外国人向け相談窓口の設置や、高齢者が安心して介護サービスを利用できる仕組みなどの支援策を年内までにまとめるとしている。
厚生労働省の2015年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休暇取得率は前年度比0.35ポイント上昇の2.65%だったことが分かった。僅かながらも上昇した理由について、同省では「2014年4月に育児休業中の給付金が休業前賃金の50%から67%に引き上げられた影響がある」としている。取得率は1996年度の調査開始以降で最も高いものとなったが、政府が2020年度までに13%とする目標と掲げる水準からは、依然、遠く及ばない実態にある。
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